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サーバー障害、ダウンロード待ちは皆無に。ブロックチェーンが導くWEB3.0の世界=高島康司

2. IDと個人情報の管理

Facebookから5,000万人もの個人情報が盗難され、30カ国の選挙で特定候補を当選させる投票行動を誘導するためのデータとして使われたデータ分析会社「ケンブリッジ・アナリティカ」が引き起こした事件はショッキングだった。

SNSやオンラインシッピングがメインになっている「WEB2.0」の世界では、SNSやWEBサイトに登録した個人情報は実質的にだだ漏れの状態である。個人情報は巨大企業によってコントロールされており、情報を提供した個人の手を完全に離れてしまっている。

これは大変に恐ろしい状況だ。パスワード、クレジットカードの番号、オンラインバンキングの暗証番号なども安全ではない。ハッキングなどを通して外部に漏れている。

しかし、インターネットとブロックチェーンが融合する「WEB3.0」の世界では、個人情報の管理方法は根本的に変化する。すべての個人情報はブロックチェーン上に暗号化されて管理され、企業から情報を参照するリクエストがあったとき、それを許可するかどうかの判断はユーザー個人が行うことができる。こうしたシステムが導入されると、個人情報の安全性はかなり高まるはずだ。

このようなシステムをいち早く導入したのが「ソブリン(Sovrin)」だ。このプロジェクトは会社ではない。いくつかの有力な企業が、個人情報をブロックチェーンで保護するために設立された組織だ。個人がソブリンのシステムに登録すると、企業が個人情報の参照を求めると、スマホで通知され許可するかどうか個人が決定することができる。

<ソブリン(Sovrin)>

公式サイト:https://sovrin.org/
紹介ビデオ:https://www.youtube.com/watch?v=Hg7psADNcVU

さらに、もっと先端的なシステムも開発中だ。個人が所有する仮想通貨は、デジタルなウォレットに保管されている。ウォレットは秘密キーによって守られ、本人ではないとアクセスできないシステムだ。

このデジタルウォレットのシステムを個人情報の保護に活用することができる。あらゆる個人情報をウォレットに管理すると、勝手に企業が情報を参照するのを回避できる。いまこの方式は、「デジタル・アイデンティティー・ファウンデーション(Decentralized Identity Foundation)」という組織が取り組んでいる。この組織も営利企業ではなく、有力な企業が設立した財団である。

<デジタル・アイデンティティー・ファウンデーション>

公式サイト:http://identity.foundation
紹介ビデオ:https://www.youtube.com/watch?v=yEKSYjTLjiw

Next: サーバー障害による利用停止はもうない? 次世代のWEBサービスとは

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