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「東京ガールズコレクション」の商標も取得。DLE株主総会レポート=公認会計士・平林亮子

経営陣も個性的。一度見たら忘れられない顔ぶれ

取締役は、みなさんとても個性的でした。たとえば、社長の椎木さんは、何かの折に「私のように、英語もペラペラで、海外経験も豊富な人間が、日本の面白いコンテンツを持って海外に戦いを挑むというのは、他にはなかなかないことだと思うので……」という趣旨の発言をなさいました。繰り返しになりますが、椎木社長は、「ほわっ」とした雰囲気です。見た目は全然ぎらぎらしていないし、パワフルなイメージでもない。それなのに淡々とした口調で、自分の強みを語っていくのです。すごいギャップを感じました。やっぱり創業社長さんって面白い!

フロッグマンさんは言うまでもなく、これまた、面白い。株主からの「天才バカボンの制作費や興行収入は?」という質問に対して、「金額については言えないが、バカボンは本当に良い出来だった。自分の中で、これまでで最も良い出来の作品だったと自負している。バカボンのパパの声も担当したが、バカボンの権利者からも好評価だった。話題にもなって、マスコミにも取り上げられ、マーケティングも成功だった。でも、映画館に足を運んでもらえなかった」という趣旨の回答が。

クリエーターとしての判断と、経営者としての判断が入り混じっていて、面白いですよね。ちなみに、このバカボンというのは、天才バカボンの長編映画のこと。「フランダースの犬」に登場するネロとパトラッシュがなぜか「悪の手先」として登場するというもので、これにバカボン一家が立ち向かうというストーリーだったそうです。

取締役でCFOの川島崇氏も、こうした中でお仕事をされているのですから、きっと面白い人物なのだと思います。公認会計士の方ですから、いつかお会いできる機会が来ることを待ちたいと思います。株主からの「業績予測に幅がありすぎる」という質問に、川島CFOは「東京ガールズコレクション次第であり、まったく初めての取組であるため、予測がたたない」と答えていました。

「予測がたたないビジネスをするというのは上場企業としては無謀では?」という質問も出ましたが、女性ファッションなどのコンテンツを取り扱うのは椎木社長が昔から抱いてきた目標の1つなのだそう。

一見、無謀とも思える冒険を、ビジネスとして形にしていくのが、創業社長の腕の見せ所。椎木社長を始め、DLEがこれから、東京ガールズコレクションをどのようにビジネスとして仕立てていくのか、楽しみです。

社外取締役は2名。1名はダンカン・ビリング氏。大株主でもあるHasbroの副社長さんです。通訳さんがずっと横にいましたので、日本語はわからないのでしょうね。Hasbroはアメリカの玩具メーカー。もう、10年近く、DLEの社外取締役をしているそうです。

もう1名の社外取締役は、夏野剛氏。誰もが知るビジネスパーソンですね。現在、何社もの社外取締役を兼任されています。そのことについて株主から、「何社もの社外取締役をしていて、守秘義務を守れなくなることはないのか。競合する企業をいくつも掛け持ちしていて、葛藤はないのか?」という質問がありましたが、「2000年から複数の企業の取締役を務めている。その都度、良いと思うことを発言、提案している。守秘義務も問題ない」と、余裕な雰囲気で堂々とお答えになっていました。

見るからに、自分の意見をしっかりと発言する取締役ばかり。一度見たら忘れなさそうな方ばかりでした。

それにしても、こんな40代、50代の男性が、顔を合わせてキャラクタービジネスについて話し合いをしているシーンを思い浮かべると、ほほえましい気持ちになります……。

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平林亮子の晴れ時々株主総会

[月額324円(税込) 毎月 第1月曜日・第3月曜日]
ベンチャー企業のコンサルティングを行うかたわら、講演活動やマスコミなどでも活躍。毎月どこかの上場企業の株主総会に個人株主として参加中。

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