日経平均株価は今日1日で1,010円(5.7%)の大幅下落をみせ、年初来安値を更新しました。しかし、多くの人が悲観的な今こそ「いい株」を「安く」買うチャンスです。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)
これからが買い局面!では何をどのように買う?
この1年で今が最も良いタイミングであることは確か
日経平均株価はこの1週間で約1,200円(5.7%)下落し、年初来安値を更新しました(※編注:原稿執筆時点12月24日。日経平均は25日終値でさらに1,010円下落し、1万9,155円で終了しました)。市場では弱気相場入りが囁かれます。しかし、多くの人が悲観的になっている今だからこそ、「いい株」を「安く」買えるものです。
常々言っているように、投資家が悲観的になっている局面こそ、バリュー投資家にとって絶好の買い局面です。保有株の下落には目をつぶり、残しておいた資金で着々と買いを入れるのです。
もちろん、ここで下げ止まると断言することはできません。しかし、少なくとも今はこの1年で最も有利なタイミングです。下手に売ることを考えなければ、より有利なタイミングでしたたかに買い続けるのが本当の長期投資家です。
株価下落により、PERや配当利回りなどの指標面では割安に見える銘柄が増えてきました。むしろ、どの銘柄も買いたくて目移りしてしまう状況です。一体どの銘柄を買ったら良いのでしょうか。
狙い目は成長銘柄と高配当銘柄
割安な価格で優良銘柄を買っていれば、長期的にはどの銘柄でもやがて利益が出るでしょう。しかし、それだけでは平均を多少上回る程度のリターンしか望めません。
いわゆる大型シクリカル銘柄は、業績に素直に反応します。景気連動性の高い銘柄の業績後退はこれからですから、今あえて手を出す必要はないでしょう。買い時は、業績が悪化してからです。
弱気相場で真っ先に下落するのは、これまで期待で上昇してきた銘柄です。期待は投資家の心理次第で上にも下にも大きく動きます。投資家が悲観的になると、必要以上に割安になるのです。
期待「だけ」が先行して中身のない企業ならどんな時も買うべきではありません。しかし、大きく成長するだけの一定の根拠があり、その銘柄に割安な価格で売られているとしたら、将来的に期待の回復と業績の拡大で大化けする可能性があります。10倍株になるとしたらこのような銘柄です。
例えば、ある中規模成長銘柄は、財務も健全なこの銘柄がPER10倍を切る水準で売られています。うまくいけば大幅な業績拡大、そうでなくても下がる余地は限定的です。同じような優良・成長・割安銘柄は、探せばまだ出てくるでしょう。
配当を望む投資家にとっても絶好の買い時です。景気連動性が低い銘柄なら、業績悪化を心配することなく利回りの高さで買うことができます。
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