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株価とは何か?ガンで余命宣告を受けた私が若い甥に伝えたい「資産形成のための方法論」=石川臨太郎

下げ続ける相場は無い

リーマンショックの後でも、東日本大震災の悲惨な大被害の後も、日本株は大きくリバウンドして上げてきた事実は、『明けない夜は無い』ということ同じように、株式市場でいうなら『下げ続ける相場は無い』ということの疎明資料にはなると思います。

米国株が急落した2つの要因は、米国の2年国債と3年国債の金利において2年国債の金利のほうが高くなったこと。いわゆるイールドカーブのフラット化が起きたことで、米国のリセッションが始まると投資家が恐怖したこと。

また中国の世界第2位の通信機器メーカー・ファーウェイの副会長が米国の要請でカナダで拘束されたこと。トランプ大統領と習近平国家主席の米中完全戦争の会談が行われていた日に、カナダでは米中先端技術の中国側の主力企業のナンバー2が逮捕されていた。

この2つのことで、米国株は暴落を続けています。

しかしイールドカーブの平坦化については、堀古英司さんがブログで素晴らしい解説をされています。堀古氏のブログは本当に参考になります。詳しくは堀古氏の上記のブログで読んでいただくとして、結論だけ引用させていただきます。

要するに重要なのは、2.8%近辺の2年債利回りでも3年債利回りでもなく、現在銀行が調達できている短期の金利水準は0.8%近辺なのです。そして、3%割れで推移している10年債利回りではなく、貸し出しできている金利の水準は3.8%近辺だということです。

この先、数回の利上げが織り込まれて高い水準となっている2年債や3年債の利回りを見るのもミスリードなら、銀行に貸出先がなくなって10年物国債でしか運用できなくなっている状況を想定するのもミスリードだということなのです。そして過去、このような国債利回りの逆転からしばらくして、リセッションが訪れたのは「たまたま」その後も金利の動きが行き過ぎて、銀行の調
達、貸出金利に影響を及ぼす水準にまで到達したから、と考えるのが自然だと思います。

株式相場が下落すると、人々は下落している理由を必死に探し始めます。「自分が知らない悪材料を先に知っている投資家が売ってるのではないか」と不安になるからです。そしてその不安はメディアに対する情報提供の需要増加という形で表れます。視聴者も購読者もクリックも増えるでしょう。メディア業界が下落局面を優先的に取り上げるのはこのためです。そういう点では「11年ぶりの3年物と5年物国債の利回り逆転」はそのように不安になった人々の需要を満たすための格好の材料だったのでしょう。

しかしこのような偽のシグナルにだまされていては、投資家として長期的にリターンを上げることはできません。むしろ注目すべきは今回の銀行株下落によって提供されているバーゲンセールの機会だと思います。JPモルガンの時価総額の6%近くに及ぶ自社株買いと3%近い配当、バンク・オブ・アメリカの8%近くの自社株買いと2.2%の配当などなど。長期的投資の観点から見れば、これらこそ本物のシグナルだと考えています。

※出典:米国株投資のチャンス到来?調整局面を捉える – 堀古英司の「米国株式の魅力」(2018年9月8日)

「ドルコスト平均法」を勧めたい

甥には、いまから投資を始めるならゴールドの毎月1万円の定額購入をするように勧めました。

いまゴールドはドルを守りたい勢力により不当に安く押さえつけられていると、私は考えています。それならば安く買い始めるチャンスです。

2018年8月にゴールドは4,207円まで急落しました。田中貴金属工業の金の月次価格の情報です。
※参考:https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/m-gold.php

当時のゴールドの市場では次のような噂が取りざたされていました。2018年にロシアが米国債を売却してゴールドを買いました。その直後にゴールドは叩き売られて下げました。国家間の争いはゴールドの価格にも影響を与えます。

ゴールドはその後すぐに戻しましたが、ゴールドの急落や急反発がいつまた起きるか、いまは分からないので毎月1万円のゴールドの定期購入をするという、金額を低く設定したドルコスト平均法の買いが良いと考えています。やはり産金会社である住友金属鉱山の定額購入が良いと思います。ポイントもつきます。
※参考:https://www.omamoriya.com/cat6/post_24.html

有名どころであれば良いので、三菱マテリアルでも田中貴金属でも良いと思います。

(筆者注:情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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億の近道』(2018年12月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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