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株価とは何か?ガンで余命宣告を受けた私が若い甥に伝えたい「資産形成のための方法論」=石川臨太郎

分析通りに動かない株価

ファンダメンタルズ分析は光(=需給)の状況を加味していない(投資環境などや需給動向の判断は行っていない)ので、企業の本質的な価値が高くても株価がちっとも上がらないということもよくおこります。

現在の日本株は、トランプ大統領の独断と偏見に満ちた政策で、投資環境が著しく悪化しているので、需給(=光)が急速に弱くなり、影(=株価)がみるみる小さくなってしまう状況だと考えています。

会社四季報を見て、その企業の一株利益と株価がまったく連動していないことはよくあります。一株利益が少なかったときより大きくなったときのほうが株価が安いこともよく起こります。

「業績」と「株価」が必ずしも一致しない理由は、光の強さ(=需給)にあると考えています。

企業の本質的価値は残念ながら誰にも分かりません。企業は利益を上げるために、日々努力を続けていますし、進化しています。

設備投資や研究開発を進めています。しかし、予想したような利益が上がることもあれば、損失を受けて、事業撤退を余儀なくされることもあるのです。

手間をかけて公開資料を読み解けば、株価が見えてくる

外から見ているだけでは、企業が何を目指しているか正確には絶対に分からないです。外部から分かったらライバル企業の餌食にもなりかねません。

また業績などに関しては、実際に企業を経営している経営者だとしても1年間の利益がいくらになるかは、正確に予想することはできないでしょう。

現実には株価ばかりではなく、企業の本質的価値も変動しています。でも2割も3割も、株価のように短期に急激に変わることは少ないです。

企業が所有している現金預金、上場されている企業の株や国債などの投資有価証券の金額。山林などではなく、東京や大阪など大都会の中心部にある土地などの価格は、公開されている資料を丹念に調べれば、計算することが可能です。

細かく調べると、それなりに手間がかかることは事実です。しかし、経営者にも、誰にも予測できない企業の将来の業績を予測するよりは、楽だし、確実性が高いです。

安く投資できるタイミングを「我慢して待つ」

投資環境が悪化した時は、企業のファンメンタルズ分析を重視しつつ、需給もしっかりと観察して、より安く投資できるタイミングを見極めるように、待つ努力をすることも大事です。我慢が本当に大事になります。

例えば、東京の高層マンションに住んでいて、自分の住むマンションから、多くの巨大ビルや東京駅や東京スカイツリー、富士山などが昼間、太陽の光があれば見えていて、実際に存在することが分かっているとします。

しかし夜中に巨大台風が襲ってきて、光が無いと、実際にある自分のマンションの窓から見える巨大ビル群や建築物、そして富士山も、まったく見えなくなります。

企業の本当の価値もその企業が持っている資産や、稼ぎ続けて利益を上げ続けているので、正確には評価できませんが、価値があるということは分かっています。

しかし株価は企業の持つ本質的な価値に需給が作り出す光(=供給より需要が強いときに光が生まれると考えたらよいと思います。需要が強ければ強いほど光が強くなります)は、投資環境のさらなる悪化予想して恐れて、需要は生まれていないので影ができないで小さくなって行きます。

夜中の台風での暴風雨の中で、自分のマンションの窓からは何も見えなくても、少なくとも自分が住んでおり、体でさわり存在を確認できる自分のマンションが存在することが確認できれば、富士山も巨大ビル群も目には見えなくとも、実際には存在していると信じることができるでしょう。

少なくとも、決算短信や有価証券報告書をしっかりと読んで、その企業の事業の状況や資産の存在を信じることで、株価が下がる(=影が小さくなる)ことに怯えて、投げ売りするような愚かなことをやらないことが、株で資産を増やしていくためには大事なことだと考えています。

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