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2019年、安倍政権は米ロに引導を渡される?日本経済を襲う政治リスクと4つの壁=斎藤満

日米株価に激震をもたらしたトランプリスクは、新年の日本にも少なからず影響します。避けられない4つの壁と、悲観シナリオの優勢ぶりを解説します。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2018年12月28日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

消費増税中止もある?鍵を握るのはトランプ&プーチンとの関係性

株価急落が示唆するもの

年末になって珍しく日本の株価が急落しました。26日の午後には一時日経平均が1万9千円も割り込みました。27日には反発して2万円を回復しましたが、依然として不安定な状況に変わりはありません。きっかけこそ米国のトランプ政権に対する不安が募り、日本など海外にも波及したことですが、株は景気の先行指標でもあるだけに、この時期の大幅下げは無視できないものがあります。

1つはっきりしていることは、米国でのトランプリスクは、米国内にとどまらず、新年の日本にも少なからず影響するということです。

すでに日産自動車のゴーン前会長逮捕が、フランスのマクロン大統領対トランプ大統領の代理戦争に巻き込まれた感があり、ソフトバンクもファーウェイの副会長拘束は米国の依頼によるもので、同時に中国内での権力抗争の波も受けています。

さらに日ロの領土交渉、平和条約に起死回生を期待する安倍政権に、モスクワから不穏な風が吹くようになりました。2島の領土も返還されない可能性があります。

新年の経済を占ううえで、安倍政権の存続を含め、内外の政治リスクが大きくなっているだけに、不確実性も高まり、予想がそれだけ難しくなりました。

1. 最大の関門は日米自動車交渉

新年の景気を最も大きく左右するのが日米通商交渉で、とりわけ自動車問題の取り扱いが天と地を分けると言っても過言ではありません。

最悪のケースは、為替条項が盛り込まれたうえに、自動車並びに自動車部品に数量規制が課せられることです。自民党の阿達参議院議員によれば、最大100万台の対米自動車輸出の削減もありうると言います。

いつから発動するかにもよりますが、自動車だけで対米黒字の5兆円あまりを生み出しているので、これをゼロにするとなると、それだけで日本のGDPは約1%減少します。すそ野の広さを考えると、1%を優に超えるマイナスのインパクトを持ちます。個別企業にすれば、一部を米国の現地生産にシフトして収益を補填できますが、これは日本のGDPには寄与しません。国内景気には大きなマイナス要因です。

これが即時発動となれば、新年経済にもろに影響が出て、株価はさらに下げ、参議院選挙にも影響が及びます。ダブル選挙の野望は吹き飛び、秋の消費税引き上げも困難になります。

もっとも、トランプ大統領が安倍政権に配慮し、少なくとも参院選の足かせにならないよう、交渉の時期を先延ばしにしたり、数量規制の規模が限定的となれば、このリスクはにわかに低下し、日本経済には朗報となります。その点、内容が軽微になる可能性は小さいものの、うまくすれば交渉の時期が参院選後に延期される可能性はあります。選挙には良いでしょうが、影響が先送りされるだけで、影響はやはり大きくなります。

Next: 消費税引き上げは微妙に?2019年の日本に待ち受ける数々の壁

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