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大麻ビジネスに乗り遅れる日本、世界はマリファナ巨大市場の誕生でハイになっている=鈴木傾城

巨大多国籍企業がマリファナ市場に動く

2018年9月17日、世界中の人々を驚かせたニュースがあった。

飲料メーカー世界トップであるコカ・コーラが、医療用マリファナの成分が入った飲料への参入を検討するというのだ。医療用の成分なので、飲んだら多幸感でいっぱいになる飲料を目指しているわけではない。

しかし、アメリカのマリファナ・ウォッチャーが裏側でひそかに言っていたのは、次のようなものだった。

「最初に医療用マリファナで足がかりを持ち、マリファナ飲料を研究・開発し、最終的には多幸感が味わえる娯楽用マリファナの成分が入った飲料を出すのが目的ではないのか?

それが噂で終わるのか、それとも本当の話だったのか分かるのは十数年後になるのかもしれないが、そういう意図がコカ・コーラにあったとしても不思議ではない。そうなれば、コカ・コーラの市場価値もさらに上がるだろう。

実は、大手飲料メーカーがマリファナに目を向けたのはコカ・コーラが最初ではない。はじめにマリファナを取り込む動きを大胆に見せたのは、ビール会社コンステレーション・ブランズである。

この企業は日本ではほとんど名前を聞かないが、アメリカでは「コロナ」や「モデロ」などを製造するビール会社として、バドワイザーのアンハイザー・ブッシュ・インベブと同じくらい人気がある。

2018年にニューヨーク株式市場に上場したキャノピー・グロースは、コンステレーション・ブランズが大株主であるのを見ても、この会社のマリファナへの本気度が分かるはずだ。

他にもギネスビールがマリファナ飲料に参入するのではないかと言われている。こうした流れが本格化したら、ビール会社も炭酸飲料会社もマリファナ成分入りのドリンクを出すのは当たり前の流れになっていくだろう。

タバコとマリファナのポジションが入れ替わる日

この動きを見て、いよいよ重い腰を上げた産業がある。タバコ産業だ。

2018年12月。フィリップモリスを擁する世界最強のタバコ企業「アルトリア・グループ」は、マリファナ企業クロノス・グループの株式を45%を取得して買収することを発表している。

タバコ企業アルトリア・グループは紙タバコから電子タバコの移行が思ったほどうまくいかず、もたもたしているスキに新興勢力であるJUUL(ジュール)に電子タバコの利益をかっさらわれるという醜態を晒している。こうした追い詰められた中でアルトリアはマリファナに目を向けている。

いよいよ「タバコ」は「マリファナ」と出会ったのだ。今後、タバコは先進国で次第に吸われなくなる。しかし、人類は嗜好品を簡単に捨てたりしない。奇妙なことに先進国ではタバコを拒絶しながら、かつては危険なドラッグだと拒絶していたマリファナを受け入れるようになっている。

アメリカではタバコとマリファナのポジションが入れ替わろうとしているのだ。

Next: マリファナはゴールドラッシュに。日本人でも利益を得る方法がある?

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