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黒田総裁の胸中は?「2期連続マイナスGDP」と「日銀現状維持」の分析

黒田総裁記者会見

それでは次に黒田さんの会見内容を確認しますが、GDPはマイナスにならないと言っていた黒田さんがどう話すのかに注目して見ていきます。
黒田総裁記者会見要旨(2015/11/19)

マイナス成長の大きな原因は在庫投資のかなり大きなマイナスですので、在庫調整が進んでいることを示していると思われますし、在庫投資を除く内需と輸出を加えた最終需要は、全体としてかなり増加していると思います。

需要の増加が確認できるものなので、前向きにとらえることは理解できますが、GDPマイナスで問題ないわけないでしょうに。

9月の短観でも、多くの業種、企業規模で設備投資計画がむしろ上方修正されてかなり強いものになっています。それに比べると7~9月期のGDPの1次速報における設備投資が小幅のマイナスになったのは、やや意外とまでは言えないかもしれませんが、強めの計画に比べると設備投資の出方がやや遅れているとの印象を持っています。

素直に短観とのギャップを認めています。

短観その他のアンケートでの設備投資計画は、年度の初めは非常に高くて、後半にかけて少し下方修正されて着地する傾向があるのですが、そういった傾向を踏まえても、設備投資は年度全体ではかなり大きな伸びになる可能性があると思っていますが

ちょっと良く理解できないのですが、後半に下方修正されて着地するなら伸びは抑えられるのでは?計画は下方修正されるけど、それは限定的でしかなく、最終的には計画通りに実施されるから問題ないということ?言葉が難しくてちょっとわかりません。(^_^;

引当金の件については、基本的に「量的・質的金融緩和」を行っている間は、当然ですが、長期国債の買入れ等が大きく増えますので、利息収入が増加することで収益が大幅に増加するわけです。他方で、将来金利が上昇する局面になると、具体的な政策手段は色々あると思いますが、付利金利の引上げとか、資金吸収オペとかその他それぞれの対応によって、今度は収益が下振れる可能性があります。従って、収益の振れを均すという意味で、引当金制度を整備することが考えられるということです。

日銀が出口戦略で利上げをすると現状の運用では収益がマイナスになり、損の垂れ流しになるから利上げできないので、「ブレーキのないバスに乗り込んでいる」という、トンデモ発言をするエコノミストの話を見かけたのですが、その解決策を用意していることが確認できて良かったです。

「50ドル程度から緩やかに上がっていくと想定していたのが、足許40ドル程度まで落ちているではないか」ということですが、想定はあくまでも一定の期間をとってみた場合であり、ドバイもWTIも、それからブレントも、日々あるいは週毎にもかなり振れていますので、もう少し長い目でみてどうなるかをその時点で考えればいいと思います。

私が気になっていた日銀の原油想定について初めて突っ込んでくれた気がします。もう少し長い目で見ればって、今までそれで下方修正をし続けていることに疑問を持たないのでしょうか。

原油価格の下落は無限に続いていくわけではなく、あくまでも一時的なものですので、それが剥落すれば当然、それによって物価が上がるといったことも十分考えておられるとは思います。

原油の下落が無限に続かないなんて極端な言い回しで、なんだか騙されている気がします。そりゃ、いつかは反転するでしょうが、2020年に向けた成長目標がある以上、時間も有限です。

そのうち反発上昇するから心配するなと言われても、期間内に目標が達成できるのか、ものすごく心配です。

白井審議委員の気になる講演

日銀会合メンバーの白井さんによる講演があったようなので、参考に掲載しておきます。
【発言要旨】白井審議委員「多様化するグローバル経済における金融政策」(サンフランシスコ、2015/11/20)

まださらっと部分的にしか見ていませんが、気になった部分がこちら。

上方バイアスが存在する下では、日本銀行が掲げる物価安定目標2%に向けた物価上昇は、家計には2%を上回る物価上昇と実感され、受け入れがたいと感じられる可能性があります。

各国の物価目標2%に合わせて日銀はターゲットにしているけど、問題があるということかな?これ意外と問題発言かも?

【関連】2期連続マイナス成長が意味するもの~現政権の景気判断は“政治色”強く=山崎和邦

【関連】異次元緩和は失敗だった。クルーグマンの『Rethinking Japan』を読む=吉田繁治

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毎月分配投信の本当のこと のりたマガジン』(2015年11月22日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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