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2期連続マイナス成長が意味するもの~現政権の景気判断は“政治色”強く=山崎和邦

ゼミの友人との「政府の景気判断」に関する交信

ゼミの友人N氏からのメール(抄)

最近の政府景気判断は三菱総研のアナリストレポートで指摘されているように、「政治的」な色づけを強く感じます。昔、経企庁が独立部門であったときは、それなりの客観的な判断が出されていたと思いますが、内閣府に統合されて以来、特に最近は、悪いことが言えないようです。何時も「緩やかな回復」です。とうとう2年連続でマイナス成長となりそうです。

アベノミクスのインフレ期待で全て上手く行くことはありません。物価が上がれば、消費が減少するのは当然でしょう。実質金利が低下しても設備投資が増えることはないし、実際もありませんでした。

「前向き志向」は企業の精神を述べたもので、その点は確かだが、政府が企業のことに関与し過ぎますね。国民や企業は「国の目標」例えば600兆に協力せよ、という妙な雰囲気を感じますが、いかがでしょう。

筆者よりN氏への返信

同感です、特にこの部分!

昔、経企庁が独立部門であったときは、それなりの客観的な判断が出されていたと思いますが、内閣府に統合されて以来、特に最近は、悪いことが言えないようです。

13~14年前までは、経企庁は景気指数のみで政治色皆無で客観的に結論しました。また「4半期別のGDP統計が2期連続マイナスだったら景気後退に入ったことにする」と言っていました。

選挙があろうが無かろうが無関係でしたね。

戦後、経企庁はずうっと、当代一級のエコノミストが集結し、官僚たちの頭脳のその上に居た感じでした。都留重人とか後藤譽之助ら、一世のエコノミストが集結した毎夏の「経済白書」は、官庁エコノミストの畢生の名著で、毎年夏のベストセラーだったが、今は話題にもならない。私自身も10年以上前から白書を読むことを止め、経済誌の要約版でコト足れりとしています。

つまらなくなったからです。昔は「白書」が流行語を生んだりもしましたね。また、流石と思える点もありました。

例えば1989年の白書は平成バブルの9合目に出たが、「土地と株価にバブルの感じがある」と、当時誰も使わなかった「バブル」という言葉を使って軽くであっても警告していました。これはさすがだったと私は言ったり書いたりしました。

今は見る影もありません。尤も「現物を読まずにそう言うのは如何なものか」ですがね。経企庁が内閣府になって竹中氏の担当になった頃からアヤシくなってきました。

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