チャーム・ケア・コーポレーション<6062>
関西と首都圏で有料老人ホームを展開する会社です。もともと下村建設という会社の1部門でしたが、独立して今は東証1部に上場しています。
業績はうなぎのぼりです。ホームの入居率は97%を超え、建てれば建てるだけ売上高、利益ともに拡大する状況です。近年の金融緩和による融資姿勢の緩和や低金利も影響しているでしょう。
ここの特徴は、ホームの運営に特化していることです。訪問介護を積極的に行っている会社は少なくないのですが、前述の通りこれは利益を出すのが難しい事業です。一方の老人ホームの売上は、半分は介護保険料によって賄われますが、残りの半分は家賃や管理費など、介護保険に依存しない部分です。
老人ホームの運営は不動産業の側面があります。つまり、適切な金額で投資し、入居率を維持していれば、ほぼ確実に利益を出せるビジネスモデルなのです。
この形態だと、介護報酬部分で利益を出す必要はありません。あくまで入居率を上げるためのコストセンターとしての機能を持ち、不動産業の部分で利益を出していれば良いからです。
そして、今後同社がターゲットとしていくと見られるのが、お金を持っている高齢者です。プレミアム感のある老人ホームを打ち出すことで、家賃部分の料金を引き上げることができます。そうすれば、介護報酬への依存度を下げることができ、利益率も上昇するでしょう。
プレミアム感のある老人ホームは、まだポッカリ空いた市場のように思えます。何より、高齢者はお金を持っています。お金は天国へは持っていけませんから、老後を少しでも豊かにすごすために、老人ホームにお金を使うという選択肢があっておかしくないでしょう。
もちろん、やがて競争も激化するでしょう。それまでにどれだけ地位を確立できるかが、今後の焦点となりそうです。
PERは23倍と、数値はやや高めですが、成長性を考えるとそこまでの割高感はありません。不動産賃貸業と同様に安定感があり、何らかの要因で下げた時には狙いたい銘柄と言えます。
『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年3月8日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。