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世界同時株安はすぐそこ。急落を待つバリュー投資家はいま何を狙っているのか?=栫井駿介

着実に成長する銘柄を安く買い、熟成を待つ

最後の問題は、どのような銘柄を買うかということです。

長期投資で大切なのは、目の前の動きではなく、数年後の将来をイメージすることです。数年後も着実に成長できる力があり、かつ現時点での株価が高くないものを選びます。難しいものを選ぶ必要はなく、皆さんがよく知っているもので構いません。

なぜそう言えるのか。それは、時間を味方につけられるからです。例え急成長しなくとも、他の追随を許さない優良銘柄を安く買うことで、10年も経てばかなりのリターンを得ることができます。

年5%の利益成長を遂げる銘柄がPER10倍で買えたとしましょう。決して大きな成長ではありませんが、順調に行けば10年で利益は1.6倍になります。

現在はPER10倍ですが、相場の風向きが良くなればPER20倍になることも珍しくありません。利益が1.6倍、PERが2倍になれば、株価は3.2倍に上昇します。10年で3.2倍ですから、年率リターンは12%を超えます。

つまり、長期投資家がすべきことは、相場の風向きが良くないときに着々と仕込み、相場要因で株価が上がるのを待ち、時が来たときにしたたかに売れば良いのです。

このような投資ができれば、市場平均リターンである7%を上回ることは決して難しくないでしょう。複数の銘柄に投資すればリスクを分散することもでき、単純なインデックスよりも強靭なポートフォリオを形成できるはずです。

以下に、直近3年間の営業利益成長率が年率5%以上で、PERが10倍前後の銘柄の一部を挙げます。皆さんがご存知の銘柄も多く含まれているのではないでしょうか。

  • 2379 ディップ(PER11.9倍)
  • 3107 ダイワボウHD(10.6倍)
  • 4063 信越化学工業(13.3倍)
  • 7269 スズキ(10.6倍)
  • 7984 コクヨ(13.5倍)
  • 9022 JR東海(12.3倍)
  • 9432 日本電信電話(10.6倍)
  • 9433 KDDI(9.4倍)

あとは相場が崩れ、多くの人が恐怖に怯える中でしたたかに買いを入れる。長期投資とはたったそれだけの作業です。

ポイントまとめ

・中国を発端とする世界景気後退は待ったなし
・日経平均株価の下値の目処は17,000〜18,000円
・長期投資には好機。年2〜3回訪れる急落を着々と拾うべし

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年3月28日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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