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世界同時株安はすぐそこ。急落を待つバリュー投資家はいま何を狙っているのか?=栫井駿介

PBR0.9倍となる日経平均17,000〜18,000円が下値目処

これだけ景気悪化の兆候が見えている中では、相場に楽観的な見通しを示すことは難しいでしょう。今週月曜のような急落を何回も繰り返しながら、じわじわと下がる展開が続くと考えます。

そうなると問題は、どこまで下がるのかと言うことです。リーマン・ショックでは、2007年のピークである18,000円台から2008年には7,000円台にまで値下がりしました。この恐怖を覚えている人も少なくないでしょう。

ただし、今回はその時とは様相が違うと考えます。下支えとなるのはPBRの水準です。

PBRは個別企業での有効性は高くありませんが、相場全体を図る指標としては使い勝手が良いものです。なぜなら、リーマン・ショック時を含め、日経平均のPBRは0.9倍を割り込んだことはほとんどないからです。つまり、この辺りが日経平均株価の下限と見ることができます。

日経平均株価のPBRが0.9倍になったとすると、17,000〜18,000円程度です。つまり、下がったとしてもこの辺りが下限になると見ています。半値以下のような事態は起こりにくいと言えるでしょう。

年2〜3回の急落を意識して資金を投入すべし

長期投資であるバリュー株投資家の基本的な姿勢は、相場の下げを待つことです。しかし、必ずしも下限まで下がるとは限りません。そこまで待っていて結局下がらなかった場合は、投資機会を逸してしまいます。どこかのタイミングで投資しなければ、果実は得られないのです。

そこで、私が推奨するのは、大きく下げたタイミングで少しずつ資金を投入することです。例えば、先週末のニューヨーク市場は大きく値下がりし、週明けの日本株は下がることが容易に予想できましたから、買うための心構えを整えます。

場中に取引する時間がない人は、事前に注文を入れておくと良いでしょう。直前の終値からいくらか安いところに指値を入れておけば、無理なく安い価格で買っていくことができます。思ったより下がらずに買えなかったとしても、それはそれで仕方がありません。

長期投資で大切なのは、1回の下げで資金を使い果たしてしまわないことです。なぜなら、そこからさらに下がる可能性は大いにあるからです。

出典:株探

出典:株探

おおよそ年に2〜3回は急落が訪れますから、年間予算を設定し、2〜3回の急落を意識して資金を配分すると良いでしょう。

Next: 着実に成長する銘柄を安く買い、熟成を待つ

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