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超特大ブラックマンデーの足音~「QE動向を的確に予測する男」の警告

金(ゴールド)は、すべての“ペーパー”から脱出する最後の手段

WTI原油先物は、あっさり1バレル40ドルのラインを割って35ドルまで暴落しました。移動平均線を見る限り、中東で本格的な戦争でも起これば別ですが、当面、40ドル台を回復するのは難しそうです。

ここまで、コモディティーの鉱業セクター、エネルギーセクターともに落ち込みが激しいのです。
今後の世界経済の縮小を警告しないアナリストは、人々を阿鼻叫喚の地獄に叩き落そうとしている有害な偽物であると断じて差し支えないでしょう。

ジェームス・ターク(James Turk)は、コモディティーの中でも比重としては軽いものの、安全資産を考える上で避けて通れない貴金属(金・銀)については一定の見解を出しています。

ジェームス・タークは、金と銀などの貴金属投資の専門家としても、日本人に馴染みの深い投資アドバイザーです。

彼の有志が立ち上げた日本語サイトもできています。参考までに、彼のブログも紹介しておきます。

彼が言うように、金(と銀)は、単なるコモディティーではなく、真の意味での有形資産であるという考え方は誰も否定しないでしょう。あくまでも金の現物が大事なのです。

それぞれの立場で、世界規模の経済崩壊を警告しているのですが、ジェームス・タークの場合は、資金の避難先として、もっとも適している貴金属、特に金の市場の特殊性について警告しています。

「金には2つの顔がある。だから、そのうちの本当の顔だけを見つつ、他の雑音を遮断して確信をもって我が道を行くべきだ」と。

分かりにくいのは、金の市場に二面性があるという意味ではなく、手のひらを重ねたように二重性があるので、私たちはメディアが宣伝する上の層(偽りの金の顔)に騙されないようにしなければならないのです。

金を筆頭とする貴金属は、この2層の市場の中でトレードされ続けており、それらは、金の現物価格で交差しています。上と下の2層になった2つの市場は相互に関係づけられはしますが、根本的には異なります。

余談ですが、「ペーパー・ゴールド」という言い方があります。これは金の現物との交換性を持たないSDR(特別引出権)の俗称です。

西洋人は、金でもないのに、なぜ「ゴールド」という言葉を充てるのでしょう。それは、裏を返せば、「世界の金融支配層は金以外のすべてのものを本当の通貨とは認めていない」という証拠なのです。

このように、金の現物こそが真の通貨であることに気が付いたとき、この2層の上下は突如として入れ替わるのです。

まず、本当の金の姿は下の層にある現物市場にあります。そして、その上の層にあって、下の層にある現物市場の実態を覆い隠しているのがひとつの市場、ペーパー・マーケットです。

前者においては、金の現物を所有したり売ったり、ということになります。

対照的に、ペーパー・マーケットでは、金の価格の変動のリスクに晒されるということになります。金の現物を所有しているわけでもなく、その時の価格で金の現物と交換できるかも保証されていないのですから。

同様に、金地金バンクのような、今は金の現物を保有していないが、一定期間後に金地金があなたの元に届けられる、という契約の下で金を購入したのであれば、それはペーパー・ゴールドと同じです。(アメリカでは、金のインゴットなどを宅配のように「デリバリーする」と言う)

銀行の貸金庫や金を売買するディーラーに現物を預かってもらう(保管料の他、場合によっては保険料もかかります)のが面倒だという人は、金を買ったつもりになっていても、実は「現物を受け取りたいときに受け取る」という事前の契約を所有していることになるのです。

その点が曖昧な人は、自分が、単にペーパー・ゴールド、つまり、金の特別引出権を所有しているに過ぎない(金現物への引換証と言い換えればいいのか)のかどうか確かめてください。

特別引出権には取引先のリスクもあります。いざとなったとき、果たして金の現物と交換できるかとうか分からないのです。

西側諸国の中央銀行は、すでに保有していた金を売ってしまったか、あるいは、信用取引などで使うため、機関投資家にリースに出してしまっているので、株式を売って資金を避難させようと貴金属市場に入ってきたとき、すでに売買できる金は、ほとんど残されていない、という事態が想定されます。

つまり、現物の裏付けのないペーパー・ゴールドが、ネットのバーチャルな空間を飛び交いしているだけ、ということになるのです。

ましてや、2重構造の下の層に当たる金の現物市場では、すでに大きな不足が生じているので、この状況は、いつまでもつのか危惧されるところです――


カレイドスコープのメルマガ』12月13日号では、この続きとして以下の内容を紹介しています。

金の現物に交換したくても、そのときは「ない」かもしれない

2層の金市場とロンドン・ゴールド・プールの崩壊

ゴールド/オイル・レシオとゴールド/CRB指数が示すもの

金はペーパーではなく通貨そのものである

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「カレイドスコープ」のメルマガ』(2015年12月13日号)より一部抜粋、再構成

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