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韓国はファーウェイと別れるの?別れないの?米中二股を清算できず経済崩壊の危機へ=勝又壽良

米中二股の限界を精算か

韓国は、このように進退に窮する事態を迎えています。

これまで、「経済は中国、安保は米国」という二股関係を維持してきましたが、もはやこの便宜的な使い分けは不可能です。米中どちらかを選択せざるを得ないのです。

韓国政府は現在、そういう深刻な事態に陥っている認識がなさそうです。

韓国大統領府秘書官の6割は、文大統領の人縁で選ばれた人たちです。「86世代」と言って、「親中朝・反日米」のグループです。

この「86世代」の信念から言えば、中国の下に馳せ参じたいでしょうが、そうは行きません。韓国には、米国による安全保障という大きな足かせが付いています。

こうなると、現政権には何らの回答準備もないことがわかります。

韓国もいずれ選択を迫られる

米国が、ファーウェイへ輸出禁止措置という大ナタを振るった理由は、先にも述べましたように安全保障上の理由です。中国が、世界にとって軍事的な攪乱要因になると懸念するに至った結果です。

この差し迫った事情から、「インド太平洋戦略」が動き始めています。この原案は日本の危機感によるもので、米国がその必要性を認識して具体策を立案しました。参加国は、日本、米国、豪州、インドです。この民主主義国が自由を守るという認識で一致しました。

前記4ヶ国に韓国が入っていません。理由は、韓国の「二股関係」にあります。安保は米国に依存しながら、経済は中国という関係で「ヌエ的」存在であります。

韓国は、このまま「インド太平洋戦略」に加わらず、フラフラしているのでしょうか。

いずれ、それが許されない段階が来ると見られています。「インド太平洋戦略」が、NATO(北大西洋条約機構)やASEANと同様に制度化されると見る向きが増えているからです。

韓国は状況のマズさをまったくわかっていない

かつて、私はこれに類した案をブログ(勝又壽良の経済時評)で何回も書きました。

同盟を組むことが、最大の防御という思想に基づきます。これは、ドイツ哲学者カントの『永遠平和のために』という著書から得たヒントでした。カントは、独裁国はすぐに戦争を始めるが、共和国(民主国)は戦争に慎重である。そのため、共和国同士で同盟を組めば平和維持できるという構想です。

中国は、相手が同盟を組むことを最も嫌います。秦の始皇帝が、中国を統一した背景には、「合従連衡」という外交政策がありました。合従(同盟)を壊して連衡(一対一の関係)に持ち込み、最終的にその相手を征服して、中国を統一したのです。中国に、この「合従連衡」を組ませないことが、平和を維持できる最大の条件です。

インド太平洋戦略」が制度化され、前記4ヶ国にASEANが加われば、韓国も参加せざるを得ません

文政権には、こういう構想の欠片もありません。前にも指摘しましたように「親中朝・反日米」が、外交の基本コンセプトである以上、コペルニクス的転回でもしない限り浮かばない発想です。

現政権は、日本との外交関係が悪化しようと無頓着です。今後は次第に、南北交流だけに全神経を注いでいられる国際情勢でなくなるでしょう。文政権の外交センスでは、「インド太平洋戦略」を正しく理解できません。

Next: 韓国の「二股」はもう限界、最悪の経済危機が迫っている

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