fbpx

韓国はファーウェイと別れるの?別れないの?米中二股を清算できず経済崩壊の危機へ=勝又壽良

インド太平洋戦略へ参加

米中が、ファーウェイを挟んで決定的な対立になった原因は、中国の覇権挑戦への野望にあります。

同じ普遍的価値観の国による台頭であれば、切磋琢磨してお互いに刺激し合える関係ですが、中国はその普遍的価値観を否定する国です。秦の始皇帝が、現代に舞い降りた感じの独裁国家の登場は、とうてい自由国家には受け入れられないでしょう。

ファーウェイは、「始皇帝」の如意棒の役割を果たし始めたと見られています。米国が警戒するのはやむを得ない理由があります。

となると、韓国の針路は自ずと決まります

もはや、「二股」は不可能です。安全保障重視政策に舵を切れば、経済問題が立ちはだかります。これが、路線転換に当っての大きな壁になります。しかし、国家運営の基本は、安全保障が維持されてこそ国民は安心して暮らせます。朝鮮戦争によって、韓国国民は安全保障政策がいかに重要であるか、身を以て知りました。

朝鮮戦争の苦しみを考えれば、中国と輸出パイプが細くなることに耐えられるだろうと言っても、その過渡期のショックはきわめて強いものがあります。

ただ、現在の韓国経済を覆っている不合理と不安の源泉は、文政権による政策の失敗が原因です。文政権が退任する3年後に、「86世代」の間違った政策を一掃すれば、希望の光が見えるでしょう。ただ、再び現政権をそのまま継ぐような政権であれば、韓国経済は沈没するほかありません。

試練の経済危機が接近

当面の韓国経済は、悲観一色です。韓国経済を支えてきた輸出が停滞色を深めているからです。

半導体景気に支えられた輸出は、好調に推移してきました。その上昇カーブは5ヶ月前に屈折して、現在は下方に転じています。5月の輸出が前年同月比で9.4%も減少しました。4月の同2.0%減よりもマイナス幅が拡大しています。今後の見通しはさらに悪化します。中国スマホの30%のシェアを持つファーウェイが、下請け企業に操業中止を指示したからです。

広東省東莞市で従業員8,000人超の下請け企業は5月末、各部署の従業員に3カ月間の「休暇」を言い渡したそうです。「米中貿易戦争の悪化で業務に深刻な影響が生じている」ことが理由となっています。初月は通常の賃金が支払われるが、2カ月目以降は市の定める最低賃金の8割にとどまり、実質的な解雇通知とみられると、『時事通信』(6月3日付)が報じています。

ファーウェイの任CEOは、「米国の輸出禁止措置の影響は軽微であろう」と発言しています。これと裏腹に、下請けには厳しい指示が飛んでいます。

この状況から判断して、スマホ需要に伴う半導体回復は見込めそうもありません。輸出の回復に期待がかけられないとなれば、韓国経済のアキレス腱である経常収支の赤字懸念が現実化します。

Next: 韓国国民は幸せになれない?韓国経済の終焉が近づいている…

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー