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“ご都合解釈”に要注意!悪さに驚いた1月米雇用統計と注目すべき「相場の変化」

今回の1月米雇用統計は重要なものでした。予想を下回る悪さにビックリ!都合のいいデータから答えを導き出す人がいますが注意して下さい。相場の流れに起きた新しい変化に気づく必要があります。(『毎月分配投信の本当のこと のりたマガジン』)

新たに加わったリスクファクター。相場に「大きな変化」が発生か

どう見る?市場予想を下回った1月米雇用統計

●米経済指標【失業率】 2016/02/05(金)22:30
*失業率(1月)22:30
結果:4.9% 予想:5.0% 前回:5.0%

●米経済指標【非農業部門雇用者数変化】 2016/02/05(金)22:30
*非農業部門雇用者数変化(1月)22:30
結果:15.1万人 予想:19.0万人 前回:29.2万人(前月比)

これまで他の指標が微妙なときでも、雇用統計だけはしっかりしていたので、安心していたというか、各経済指標でイマイチの内容が出てくる中、安心したかったというか、それなりの結果になってくれないと困る。という絶妙なタイミングだったのですが、まさかの市場予想を大きく下回る結果にビックリ!

寒波の影響でも出ているのでしょうか?

他の経済指標に鈍化が見られているので、納得せざるを得ないところがあるのは悲しいです。

報道をチェックしてみると、前回暖冬での上振れから反動で下げたという意見もありました。そういう一時的な反動ならしょうがないところはありあす。

以前、イエレンさんが「月10万人弱」という最低基準を示したので、それを割っていないことは本質的にはダメではないとは言えますが、変化は感じる必要がある結果です。

一方で、失業率が下がっています。

失業率は職探しをあきらめる人や定年退職などが影響することも多いので、単純にそのまま良し、と評価するのは注意が必要ですが、今回の場合、労働参加率が上昇しているのは良かったと言えるかもしれません。

●労働参加率
※就業年齢に達している人口のうち現在雇用されている、もしくは職を探している労働者
1月:62.7% 前月:62.6%

その他、報道では平均時給が注目されているようです。こちらは市場予想を上回る結果とのことです。

●平均時給(前年同月比)
1月:+2.5%増 前月:+2.7%

失業率の中身と賃金上昇で、雇用全体としては改善の傾向を示しているとは思います。ただし、都合のいい解釈だけはしないほうがいいです。

よく指標発表後の相場の動きをみて、それに合わせて都合のいいデータから答えを導き出す人がいますが、それは良くないので注意して下さい。雇用者数の鈍化は無視していいものではないです。

もちろん一時的なら問題はないのでしょうが、今回は思った以上に重要なタイミングだったと思います。

各経済指標で鈍化が見られる中、寒波の影響もありますし、まだまだしばらく厳しい状況が続くかもしれないということを感じさせる結果です。

投資は現時点の状況よりも先行きの方が重要です。少なくともホッとひと息つけるようなものではなかったと思いますので、今後のリスク想定を考えさせられるものです。

次ページでは、1月米雇用統計前後の相場をチェックしてきたいと思います。

Next: 先週の相場で絶対に押さえておくべき「大きな変化」とは?

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