fbpx

G20思惑からの株高は反動に要注意 所詮はノイズ、期待せず失望せず=馬渕治好

今週(2/22~2/26)の世界経済・市場の動きについて

材料が乏しいなか、目先は方向感が現れにくい展開か

【まとめ】
今週は、市場を大きく動かしそうな材料が乏しく、方向感の現れにくい市場動向を予想します。
ただ、2/26(金)~2/27(土)に、G20財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。ここで何か策が出るかもしれないので、株売り・外貨売り(円買い)を仕掛けにくい、という声があり、そのため世界市場に膠着感が強まるかもしれません。しかし、もともと何も大した策は出ないので、来週のことになりますが、短期的に市場に失望が出る懸念が残ります。

【詳細】
今週は、市場動向に大きな影響を与えそうな材料が少ないです。米国では住宅関連統計が多く発表されますが、それ以外に主要国で注目される経済発表は余りありません。この点から、今週の世界市場は、方向感が明確には現れにくいと予想します。

日本では2/26(金)に1月の消費者物価が発表される予定で、いわゆるコアCPI(消費者物価から生鮮食料品だけを除いたもの)前年比は、昨年12月の0.1%上昇から、プラスマイナスゼロに低下すると予想されています。それはどうせエネルギー価格下落の影響であって、景気が良いとか悪いとか、日銀の政策が効いているとか効いていないとか、騒ぐようなものではないのですが、騒ぎたい人はどうあっても騒ぐと思います。

G20(主要20か国)財務相・中央銀行総裁会議が、2/26(金)~2/27(土)に、上海で開催されます(中国が議長国です)。ここで、最近の市場波乱などを受けて、協調した策が打ち出されるのではないか、とすれば、株を売りこんだり円買い(あるいは新興諸国通貨売り)を進めたりはしにくい、という声が聞こえます。

もちろん、最近の市場波乱を注視しているとか、新興諸国経済の動向を注意深く見守っている、などの声明は出るでしょうが、それだけでしょう(それ以上何もやりようがありません)。

また、中国経済減速に対する懸念について、議論はなされるでしょうが、中国は議長国として、自国の経済政策をああだこうだと言われることは極力避け、議論が自国に集中するのをごまかそうと全力を尽くすでしょう。

このように、G20で大したことはもともと出ないのですから、事前に期待するのもおかしいと考えますし、事後に失望するのもおかしいと思います。それでも、勝手に期待して勝手に失望する向きや、それを煽る専門家、さらにはそれにつけこもうとする投機筋は、どうやっても騒ぐと懸念します。

もし、今週にG20を口実とした株高・外貨高が起これば(あくまでも実体経済の改善や投資心理の好転ではなく、G20が口実にされた場合です)、来週その反動が出る恐れがあります。ただ、長期的な相場の流れから考えれば、ノイズ(雑音)に過ぎません。

Next: 世界経済・市場の注目点~サウジ・ロシア会談に対する海外の見方

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー