常識では原油の需給改善はないが、あえて「理外の理」に言及すると
これだけの膨大な海外投資家の売り越しがあっても、なおこの程度の下落で済んでいるのは年金と目される信託銀行の大幅な買い越しがあるからである。
安倍政権は“株価連動政権”だから、3月末の年金基金の決算を悪化させたくない。そこでこの程度の下落で支えられているのであって、原油価格が上昇しない限り株価の長期的上昇はあり得ない。
ところが原油価格は、前述のように需給関係が改善される見込みは理論上は今はない。しかし、原油価格と言っても商品相場であるから「理外の理」というものがないとは言えない。
地政学的リスクに注目せよ
ところで、ここは「世界平和」とか「倫理」を捨象して述べる場所である。
すると「理外の理」の筆頭は戦争だ。現に、2015年1月半ばにイエメンのシーア派武装勢力のクーデターが発生した時に原油価格は40ドル強から60ドルまでを2か月で上昇し、さらに3月半ばにサウジ等がイエメンに軍事介入すると60ドル台後半に2段上げを為した。
では、お前は株価回復のために戦争を望み原油価格上昇を望むのか、などという中学生の議論はなしにしてもらいたい。因みにテレビ出演するとこういうママゴト的なことをテレビ局から非難されるから最近は出演していない。
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