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第2の矢「機動的な財政出動」が次の動意を生むか?中間反騰の天井は=山崎和邦

(8)原油相場 どこまで戻せるか

株価動因の主力の一つは原油である。39ドルから明らかにリスクオンの流れに変わった。原油相場は2月底打ちして上昇。リスクオンの流れになってきた。

NY原油は4週連続の上昇。26ドル台から37ドル台へ42%上昇。そして40ドル乗せした。

昨年3~6月にかけての上昇以来である。その時は11週上げた。一応、2月で底を打ったと言える。NY原油はFOMC後のドル安を受けて40ドル台を回復した。3ヶ月半ぶりの40.36ドルを付けた。WTIは1.74ドル高の40.2ドルで引けた。

図7 WTI原油先物チャート

図7 WTI原油先物チャート

では、どこまで戻せるか。

2008年12月~2009年2月までリーマンショックの嵐の中、3本連続で月足は下ヒゲをつけて上昇した。今回も下ひげを連続して上昇してきた。 リーマンショック時のパターンに似てきた。それなりに戻ってきてもおかしくない。

今月20日以降、産油国の会合が行われる。

ちなみにゴールドマン・サックスが11日(金)に見通しを出した。在庫が積みあがってきているから弱いと言う。今後数週間大幅に下落すると言う。

誰が、いつ、何を言おうと自由だがゴールドマン・サックスは実のところ逆指標の参考に筆者はしてきた。「曲がり屋に向かえ」という。産油国の会合では何も決まらない可能性は高いが、それも織り込んだろう。一旦売られても、又上げてくるのではなかろうか?

一方、主要産油国の4月の会合で増産の凍結に合意するだろうという思惑もある。原油の在庫が4月まで増加しても思ったほど下がらないのならば、既報で既述の通り、買戻しが一気に入るかもしれない。

2月からの反発は、それなりの大きなものになる可能性はある。毎朝、日経新聞の1面の左下に発表されるドバイ原油はアジア市場の指標になっているが、これも18日に3カ月ぶりの高値を付けた。

御参考:DJ-【市場の声】原油相場、買い戻しをきっかけに上昇続くか

17日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では、2月の安値から50%余り値を戻したことになる。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、投機筋は買い建玉が14%増加する一方、売り建玉は1月の過去最高水準から40%余り減った。

後者は持ち高を手じまう動きが背景にある。

原油価格が一部の石油会社にとって採算の取れる水準に近づいていることで、投資家心理が変わりつつあるのかもしれない。

トラディション・エナジーのジーン・マクギリアン氏は「足元では、買い持ちで利益を得るという新たな波が押し寄せつつあるようだ」と言う。

配信元:ダウ・ジョーンズ(03/18 09:48)

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