投資失敗で窮地のソフトバンク
ところが、ありあまるカネを集めて買収する企業の内情をよく調査することもなく高値で買いまくり、今になって買った企業が評価割れして窮地に陥っている。
その企業の筆頭がウィーワークである。問題のある創始者が根拠もない未来を語り、企業の時価総額を膨らませるだけ膨らませて上場して「売り逃げ」しようとしているところにソフトバンクが乗っかった。
上場すれば企業価値は巨万の富を生み出すはずだったが、ウィーワークは利益を出していない上に事業モデルは最先端でも何でもないことが上場前にバレてIPOは延期になり、企業価値は一気に吹き飛んだ。
ソフトバンクは約2兆円近くをこのウィーワークに費やした。さらにソフトバンクはこうした「箸にも棒にもかからない企業」をビジョンファンドで大量に買い集めている。
次のリーマンショック級の暴落が起きたら、ソフトバンクは倒産することになっても不思議ではない。
赤字企業「LINE」の買収は悪手?
この苦境に落ちているソフトバンクが、韓国の信用できない赤字企業LINEを買収したところで、急にソフトバンクの経営が蘇るわけではない。
「ソフトバンクとLINEの統合によってGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)に対抗できる企業が日本に誕生した」みたいな論調でこの経営統合を持ち上げているマスコミもある。
しかし、投資の失敗で窮地に落ちた企業が赤字企業を買って、それで何か物事が大きく良くなると思うのであれば、どうかしている。
まして、世界に君臨するGAFAに勝てるとか対抗できるようになったとか思う方がおかしい。