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IPO相場の終わりとともに、新年相場入り。ここから株式市場は新たな展開へ=國澤晃

世界的な金融緩和モードで、不安要素をカバー

その七難を隠しているのが、世界的な金融緩和モードです。日本はこれまで以上の金融緩和に追随していませんが、ECBは11月からQEを再開していますし、アメリカでも短期債での隠れQEが行われています。

もっともアメリカの隠れQEに関しては12/1のメルマガでも書いたように、あくまでオマケのようなものです。最大1.5ヶ月ものの短期債で資金供給しているものを、株買いに回すとはちょっと考え辛いです(すぐ返さないといけないので)。ですから、それが今の株高に結び付いているんだ…という論調は半分不正解だと思いますし、逆に半分は正解かも知れません。アナウンスメント効果があるので、全く株価に影響していないとも言い切れませんから。

そういう意味では年末年始の資金供給不足を補うための、この短期債の資金供給が一旦縮小することで、アナウンスメント効果が消えてしまう年初は、株価が急にストンと落ちてしまう場面があるかも知れません。その頃には米中部分合意が署名され、アク抜け感も出やすいです。また1月半ばの自社株買い空白期間にもなり、エアーポケットのように値を下げる場面になる可能性はそこそこあると考えています。

もっとも、基本的には下がっても日経平均では2万3,000円割れくらいがせいぜいで、そこは拾っておくべき場面になりそうな気もします。ともあれ、来年の話はまた来年の空気感を見てから考えますが、今の市場が本当に金余りの金融緩和の結果であるならば、その材料が通じなくなった時は本当に市場が危ない時と言えそうです。

今週のスケジュールは、もう年末モードなので重要なものはありません。今年から天皇誕生日が12月では無くなったので、閑散相場でも休まずに市場は動きます。

23日(月)は安倍首相が25日までの予定で北京へ訪中。そのまま24日(火)は日中韓サミットがあり、日韓、日中首脳会談がそれぞれ開かれます。アメリカはクリスマス前の短縮取引。

25日(水)はクリスマスでキリスト教圏の市場がお休み。

26日(木)はIPOシーズンの終了と、年内受渡最終日。アメリカ以外のキリスト教圏は引き続き休場。そして27日からは受渡日ベースで新年相場入りとなります。

Next: これらの状況を踏まえて、今週の日本株の動向は?

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