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IPO相場の終わりとともに、新年相場入り。ここから株式市場は新たな展開へ=國澤晃

IPOに資金一極集中が終わり、相場は新たな展開へ

今週の日本株は前半がパッとしないものの、後半木曜辺りから、早ければ水曜以降は買われる展開を想定します。全般的には海外市場がお休みの中で薄商いが続くのでしょう。

結局先週は週間では下落の週となりました。先々週末急騰の勢いは火曜までで終わってしまい、アメリカ株が強くても日本株は弱いという流れになりました。

日本株に関しては、薄商いの中で資金がほとんどIPO銘柄に持って行かれたことに敗因があるように思います。特に先週のIPOは時価総額1,000億円を超えるフリー<4478>やJMDC<4483>などが活況で、それ以外でもマクアケ<4479>やJTOWER<4485>などが大盛り上がり。売買代金はマザーズ上位10銘柄で1,000億円に迫る形です。

とりあえず26日になるとIPOが終わり、まだ盛り上がる銘柄は先々のIPO空白期間にもずっと盛り上がっているでしょうが、対象が絞られてくるので、ようやくIPO銘柄一極集中の流れは終わると思います。同時に26日で年内最終売買日となり(※今年は受渡日短縮があったので、今年から年内最終売買日が一日遅れる)、そうなると個人投資家の損出し売りが一巡するので、いよいよ掉尾の一振に向けた動きが出て来ます。

この損出し売りの一巡というのは、相当明確なパフォーマンスの逆転を見せます。実際、直近の投資主体別売買動向を見ても、個人投資家の売り越しが大きく顕著でした。特に今年下がり続けた銘柄などにはリバウンドのチャンスがあります。

気にしておきたいのはアラムコの株価。もし相場混乱の新しい悪材料が出てくるとするならば、このアラムコの株価下落が各ポートフォリオの毀損に繋がり、負の連鎖を引き起こすことかも知れません。冒頭で述べたようにアメリカのシェール掘削リグ数が増えたことで原油価格が下がり、それがアラムコの株価下落に繋がりました。上場初日の安値水準に接近。

当初はストップ高などを含めて盛り上がりましたが、日本の大型IPOを見てもわかるように、盛り上がるのはせいぜい上場初日から3日間くらい。時価総額が世界最大ですし、それくらいが限界です。もう組み入れる必要がある投資家は組み入れてしまったので、新規の買い手が不在となり、値が下がりやすくなる→需給が暗転してしまうという構図です。

ご存じのようにアメリカは今や「自分さえ良ければ良い」と考える国になってしまっていますから、サウジを始めとする中東諸国に忖度することなく、ガンガンシェールを掘って原油を取り出していくでしょう。環境問題も知ったことでは無いと言っているわけですから、十分整合性があります。ですから「年末年始に株を枕に…」とお薦めできる程強気ではなくなっていますが、少なくとも上述した来月中頃まではひとまず何とか大丈夫じゃ無いかなとは現段階では思っています。

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