パンデミックが杞憂に終わることを望みながらも、実際に大ごとになれば大変なパニックになるだろう。市場はマスク、除菌、防護服の中小型株に攻めている状況だ。(『億の近道』炎のファンドマネージャー)
小学生から証券会社に出入りし、株式投資に目覚める。大学入学資金を株式の利益で確保し、大学も証券論のゼミに入る。証券会社に入社後は一貫した調査畑で、アナリストとして活動。独立系の投資運用会社でのファンドマネージャーの経験も合わせ持つ。2002年同志社大学・証券アナリスト講座講師を務めたほか、株式漫画の監修や、ドラマ『風のガーデン』(脚本:倉本聰)の株式取引場面の監修を行う。
病院までたどり着いたら、パンデミックショックは終了か
防護服をやっている帝国繊維<3302>の株価が穏健な訳
パンデミックが杞憂に終わることを望みながらも、実際にそうなったら大変なパニックになるだろう。
2020年のこの時に一緒に生きている私たちが取るべき行動は時代の生き証人となって語り継ぐことぐらいかとは思うが、こんな時だからこそ関連した企業を評価する行動を採ることは株式投資を行う皆さんの自然な行動のようにも映っている。
マスクや除菌、消毒、防護服などのパンデミックを防止するお仕事に関わる企業の株式を市場は見出して物凄い勢いで買い上がっている姿が見出せる。この流れについていくかどうかはともかく、目ざとい投資家も多く、一種のお祭り騒ぎのような展開が見られるが、この咎めは宴の後のような相場につながることになる。
マスクでは市販用のユニ・チャーム<8113>が上げられるが、時価総額が大きいために株価へのインパクトは少ない。
一方で医療用マスクの興研<7963>や重松製作所<7980>は時価総額や発行済み株式数が小さいために活発に株価変動する。このためこうした訳のわからない問題が発生した場合はパブロフの犬状態で人気集中となる。
周期的な人気を集める点もあって過去のパターンからまだいけるとかの経験値が働くことで(もしかしたらAIなのかも知れません)取り組み易いといったことが言える。
このほか感染症予防に必要な除菌・消毒の分野ではニイタカ<4465>やクレベリンの大幸薬品<4574>、マナック<4364>、川本産業<3604>などが人気化。これまで聞かなかったような名前の企業が関心を集めるようになって関連企業の裾野が広がってきたなと実感する。
防護服ではデュポン製の防護服でトップ企業のアゼアス<3161>も株価急騰。上場来高値を目前にしている。
これらの多くは時価総額が小さい、つまり中小型銘柄ということになりますが、総合防災事業を展開する帝国繊維<3302>も活躍の素地はあるが、残念ながら物色の矛先は向かってこない。時価総額が650億円を超えるだけに個人投資家は入ってこないために防護服をやっているとは言ってもほとんど話題にならないのがこの株式相場な特徴的なところだ。
連想ゲームでいけば最後は床掃除マシンを手掛ける蔵王産業<9986>まで行き着くのだろうが、市場はまずはマスク、除菌、防護服で攻めている状況だ。
直近IPOの銘柄でもいくつかの病院関連の銘柄が見つかりましたが、ここまで辿りついたらパンデミックは杞憂に終わっているのかも知れません。
image by : Robert Wei / Shutterstock.com
『億の近道』(2020年1月28日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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