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モス「ごはんバーガー」対決でマクドナルドにまさかの敗北。業績復活の道はあるか?=栫井駿介

モスバーガーはうまい!

私はモスバーガーも同じように復活できると考えます。なぜかと言えば、私自身モスバーガーが好きだからです。

特に好きなのが、基本の「モスバーガー」です。しっとりとしたパティに肉厚のトマト、溢れ出すソースは何度食べても飽きることはありません。チーズを入れた「モスチーズバーガー」となると、とろとろ感が口の中で絡み合い、一層ソースを引き立てます。

モスバーガーの強みは、まさにここにあると考えます。すなわち、基本メニューのクオリティがとても高いのです。

以下のアンケートを見ても、定番メニューに対する高い人気がうかがえます。

Q. モスバーガーの定番メニュー(バーガーメニュー/シーズンメニューなどは除く)で最も好きなものを選択肢の中から一つ選んでください。

1位「モスバーガー」(13.3%)
2位「テリヤキバーガー」(8.4%)
3位「テリヤキチキンバーガー」(6.8%)
4位「モスチーズバーガー」(6.5%)
5位「海老カツバーガー」(4.7%)
(以下略)

Q. 前問で選んだモスバーガーの定番メニューが好きな理由を教えてください

■「モスバーガー」
・「一番初めに食べたメニューでそれ以来、一番好き」
・「昔からある、そのままのモスバーガーが美味しい」
・「定番かつ一番シンプルで、食べやすい」
・「フレッシュトマトとミートソースの組み合わせが美味しいので」
・「シンプルなバーガーですが、毎回食べても飽きないし、美味しい
・「モスは長年好きなので、なかなか1つには選べないが、やはりモスバーガーか。他チェーン店の基本ハンバーガーとは明らかに違うジューシーさ、ソースの旨さがその理由である」(一部省略)

出典:モスバーガーで最も好きなバーガーメニューは? 1位は納得の●●! – マイナビニュース(2020年6月7日配信)

基本メニューの人気が高い理由は、理念からもうかがえます。創業者の櫻田慧氏は「満腹の状態で食べても美味しいと感じられる商品こそが本当に美味しい食べ物である」という考えを持ち、商品開発を行ってきました。この信念こそが、おいしさにつながっているのです。

だからこそ、私は今のモスバーガーの状態がとても「惜しい」と感じられるのです。もっと大きく伸びるポテンシャルがあるはずですが、経営がそれを実現できていないのです。

マックと同じ土俵で戦うな

モスバーガーの経営が惜しいのは、マーケティングのやり方を間違っているせいだと思います。

最近は、お笑いコンビ「ぺこぱ」を採用した「モスライスバーガー」のCMをよく見ます。これは明らかにマクドナルドの「ごはんバーガー」に対抗するものです。マクドナルドのごはんバーガーは人気化しすぎたため、3月に早期販売終了となりました。

もちろん話題性のために似たような商品をぶつけてみたり、新商品を開発することは否定しません。それで一時的に売上が伸びることもあるでしょう。

しかし、モスバーガーはマクドナルドと同じ土俵で戦ってはいけないのです。資金力が違いますからCMでは負けてしまいますし、そもそも顧客が求めるものが違います。

顧客がマクドナルドに求めるものは「楽しさ」でしょう。女子高生がポテトをつまみながらダラダラするとき、目新しいハンバーガーが彼女たちを惹きつけます。おもちゃがメインのハッピーセットなら、ハンバーガーのクオリティはそこまで求められません。

一方、顧客がモスバーガーに求めるのは「美味しさ」「安心感」「健康」ではないでしょうか。

国産野菜にこだわり、マクドナルドが安値競争に走った時期も、値下げせずクオリティを維持しました。マクドナルドを毎日食べていると健康に支障をきたしてしまいそうですが、モスバーガーなら大丈夫だという気がします。

すなわち、目新しさよりも「日常」に焦点をあてた方が良いのではないかと思うのです。

Next: この戦略で成功したのが、ケンタッキーです。これまでクリスマスやお正月――

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