パートナーと死別した場合の老後について、考えたことはありますか?特に女性は男性よりも平均余命は長いとされ、将来“おひとり様”になる可能性が非常に高いのです。その時、いったいいくら不足するのか?今から知っておく必要があります。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
女性は平均5年、おひとり様で過ごすことに
結婚してパートナーがいても、老後の女性は「おひとり様」になる確率が高いです。
女性のほうが寿命が長いからなんですね。平成30年の平均余命を見ると、65歳の男性の平均余命は19.7歳です。つまり85歳くらいで亡くなると推測します。
一方、65歳女性の平均余命は、24.5歳です。90歳で亡くなるのが平均的と言えます。
同い年でしたら5年間。ご主人が年上でしたら、さらにその差分おひとり様の期間が長くなります。10歳年上でしたら、15年間おひとり様の期間を予測しておかなければなりません。
まずは年金額を確認
まずは、年金を確認してみましょう。
厚生労働省の資料を見ると65歳以上の女性の年金の平均月額は約11万円です。
夫婦で20万円くらい支給されていたとしても、おひとり様になるとグッと年金額が減ってしまいます。
おひとり様になったからといっても、生活費が半分になることはありません。
なので、1円でも年金額を増やすこと!
年金の不足分は、月5万円程度と言われています。つまり、夫婦でいる時に25万円で生活していたら、おひとり様なっても3割程度が減るだけなので、17万5,000円の生活費がかかるということです。
平均年金支給月額11万円から差し引くと、6万5,000円が不足します。おひとり様期間が5年だと390万円、10年だと780万円、15年だと1,170万円です。
うーん。何度も検算してしまいました。ただし、これは現在の年金受給額です。専業主婦か扶養の範囲内で働いていた方が多い世代の平均です。
また、年の差が10年あれば、ご主人が年金生活になったとしても、まだお仕事できるので不足分も多少は埋められるでしょう。
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