国民の犠牲の上に進行していく「金融機関の世界統合」
さて、バーゼル3を思い出してください。
バーゼル3は、近い将来、世界経済がより不安定さを増すことを前提に、国際取引を行っている民間銀行に資本の増強を義務付けるルールの枠組みのことです。
その際、「自国通貨で国債を購入している金融機関はバーゼル3の対象外」としています。
額面通りに受け取れば、日本の大手銀行は、預金者のお金(円)で国債を購入しているので、バーゼル3のルールの適用外ということになります。
では、なぜ日銀の黒田総裁が2015年2月の財政諮問会議で、「オフレコだが」と前置きしながら、「日本国債を金融機関が保有するリスク」を言い出したのでしょう。
なぜ、ドイツ連邦銀行の理事が日本向けに警告を発したのでしょう。
それは、バーゼル3の次のバージョンで、「自国通貨で国債を購入している金融機関に対しても適用を検討している」と言っただけで、日本の金融機関に対する世界の目は冷ややかになるからです。
EU加盟国の大方の民間銀行や米国の民間銀行は、すでにバーゼル3に対応した資本の増強が済んでいます。
「日本の銀行は適用外だから」と対応を怠っていると、気が付いたときは周りは敵だらけということになります。
そのときは、長銀が破綻して莫大な公的資金が投入された後、新生銀行に生まれ変わって外資に叩き売られたようなことが再び起こる可能性があります。
しかし、今度、投入される資金は公的資金ではなく、キプロスの例に見るまでもなく、預金封鎖によって国民の預金から没収された私たちのお金なのです。
いずれにしても、銀行の国際統合が始まろうとしています。
「金融の一元化」…これは日本だけでなく、世界的な動きです。
しかし、当事者たちは、これが国際金融の支配者たちの隠された真の狙いであることに気が付いているでしょうか。2016年から、これは始まります。どう準備すればいいのか考え始めましょう。
『「カレイドスコープ」のメルマガ』(2016年4月7日 第151号パート1)より
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