挫折は方向を変えよという合図
芽が出ない。会社の流れに乗れていない。成長実感が感じられない。先が見え過ぎている。今の会社が狭く感じる。なんだか最近やりにくい。会社の人と話が合わなくなってきた。自分の居場所がない……。
そういうときは、受け止め方を変えて、「自分が必要とされている舞台に移動しろという合図」であり、自分の努力不足や能力不足の問題ではないと、問題をすり替えることです。
多分に自己欺瞞的な発想のように感じるかもしれませんが、「やれることはやった」というある種の完全燃焼感があれば、それでかなり納得できるようになるものです。
これは「自ら仕事を追いかけてきた」からこそ到達できる境地であり、上司や外部からのプレッシャーなどにより「仕事に追われてきた」では成しえない感覚です。
この感覚を得ていない、あるいは得られない仕事だとしたら、自分の技能や職業的センスとは違う仕事をしている可能性があります。
あるいはもし「まだやれる、まだやれたはずなのに」という後悔が残るとしたら、それは「全力を出し切るほど自分が夢中になれる対象ではなかった」と認識し、やはりそこからは足を洗った方が良いでしょう。
自分の仕事のスタイルを確立するまでやりきったか
もうひとつ、完全燃焼感を得るうえで必要な要素は、「自分の仕事のスタイルはこうだ」という型のようなものを持っている実感です。
それは対人アプローチであったりタイムマネジメントであったり部門でのリーダーシップのとり方であったり様々ですが、「こうすればおおむね一定の成果が出る自信」「こういう進め方が自分にとってモチベーションが上がる」「こういうやり方が爽やかな気分で集中できる」という自分自身の固有のスタイルを持っているという確信があるかどうか。
これがなければ、仮に転職しても結果が出せない可能性があります。
なぜなら、自分の仕事のスタイルがある程度固まっていなければ、商品や顧客が変われば応用が利かないことがあるからです。
たとえば営業職として自分のワークスタイルに自信があれば、見込み客の発掘、アプローチ、相手の課題の引き出し方、商品提案のやり方、クロージングという一連のプロセスは、商品や顧客が変わっても、それなりに柔軟に対応できるからです(むろん当たり前ですが、自分のやり方にガチガチに固執しろということではありません)。
だから、もしそういうワークスタイルの確立実感を持っていないとしたら、いまの仕事に必要な勘所を押さえていないだけでなく、自身もまだ試行錯誤しているようなグラグラな状態であるといういこと。
これでは転職しても良い結果になる可能性より、再び迷い始めるリスクの方が高いでしょう。そういう人はまず今の仕事で手ごたえを感じるまで努力したほうが良さそうです。