コロナワクチンの確保に出遅れた韓国が、G20で「公平な分配を」と訴えている。なぜ確保できなかったのか。それは開発失敗のリスクを恐れてお金を出し渋ったためだ。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)
※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2020年11月22日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
ワクチン確保に出遅れた韓国
先月末、米国のファイザーやモデルナのコロナワクチンが高い有効性を示したことで、株式市場は急上昇した。
明らかに事前に情報が漏れていたのではないか?というおかしな動きだったが、「人類にとって待望のワクチン完成」「米大統領がバイデン氏に決まりそう」という2つの要因が大きく左右したと言えるだろう。
ただ、残念ながらワクチンが日本に供給されるのは、来年2021年の上半期との見通しである。
すでに1日の感染者が2,500人を超えて危機的な状況である(※編注:11月21日の感染者数は2,591名となり過去最多を記録。翌日からは減少して11月24日は1,228名となっています)。ワクチンなしで、今年の冬を乗り越えなければいけない。
しかし、日本政府はファイザーやモデルナなどのワクチンをしっかり事前に予約しており、3億3,000回分ぐらい予約購入している。
つまり、生産できるようになればワクチンは供給される。これも安倍前総理の先見の明ということだ。そして、多くの先進国でこれから生産される予定のワクチンの8割を確保している。
ただ「韓国」を除いてだ。なんと、韓国はワクチンを確保していないのだ。
※参考:ワクチン確保で出遅れ、来月初旬に詳細発表 – NNA ASIA
リスク回避でワクチン確保せず
お金はあるはずなのに、ワクチンを確保していないのはなぜなのか。キムチで予防できるという論説も見られ、それを信じて予約しなかったか?
一番の理由は、「ワクチン開発が失敗したらお金が返ってこない」という契約を拒否したからだ。
日本をはじめとする先進国は、国家予算でワクチン研究や、副作用などの負担も国で処理するという契約を開発企業と結んだ。料金は先払いである。
それは一種の賭けであったが、ファイザーやモデルナなどは期待に応えた。実際、1年でワクチンを開発するのは驚異的な早さだ。
でも、韓国はワクチンがいつ完成するかもわからないから、失敗するリスクを避けた。それが裏目に出てしまった。だから、韓国がワクチンを手に入れるのは極めて困難である。
今から、交渉しても初回の生産分はすべて予約で埋まっていて、ワクチンが手に入るのは早くて来年2021年後半との報道もある。
だが、文在寅大統領は諦めていなかった。
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