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岸田首相、防衛費増額“1兆円増税”に党内からも「バカヤロー!」の怒号。所得税は増税対象外も統一地方選後の“手のひらクルー”は必至か

岸田文雄首相が8日、防衛費増額の財源として1兆円規模の増税の検討を与党に指示したと報じられ、国民からの怒りの声が湧きたつ事態となっている。

報道によれば令和9年度以降、約4兆円の財源確保が毎年度必要になるなかで、そのうちの1兆円を増税で賄う方針だということ。増税の対象は主に法人税を軸に調整するという。

首相は、約4兆円の財源の4分の3については、歳出改革や決算剰余金、国有資産の売却益などを活用する「防衛力強化資金(仮称)」の創設などで賄うとしているが、「残りの1兆円強は国民の税制で協力をお願いしなければならない」と述べたという。

「他の予算を削って賄え」国民の意向をマルっと黙殺

夏の参院選が過ぎれば、衆院の解散がない限り向こう3年は国政選挙がなく、岸田政権にとっては国民の顔色を窺う必要がない“黄金の3年間”が到来するということで、そうなるとそれまでのバラマキの反動で増税か……といった声も多くあがっていた今年の上半期ごろ。

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蓋を開けてみればその通りといったところで、先月には自動車への「走行距離税」の導入検討で大騒ぎとなったのをはじめ、さらに退職金課税の強化や相続税の強化も検討中、そして今回の1兆円規模の増税話ということで、まさに増税の嵐といった状況である。

今回の防衛費増額に関してだが、中国の台湾に対する圧力強化やミサイル連発の北朝鮮の存在など、日本周辺での新たな有事が懸念されるなか、自衛隊は施設の老朽化や整備部品の在庫不足が叫ばれるなど、財源不足の影響が目に見えて現れているところ。

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その点に関しては、国民の間からも理解する意見も少なくはなかったのだが、その財源は「他の予算を削って賄う」との声が圧倒的。ところが岸田政権は、国民の“防衛費増額への理解”だけを受け取って、増税しないで欲しいという声はマルっと黙殺した格好だ。

とはいえ、昨今は空前の物価高ということで国民の家計も相当苦しいとあってか、今回の1兆円の増税に関しては、所得税を対象にしないとも表明。

ただ、これは来年春に前後半戦という日程で相次いで行われる、統一地方選への悪影響が考慮されたというのが専らの話のよう。旧統一教会との黒い繋がりを相次いで指摘されている自民党には、今回の増税の話がなくとも逆風が吹くことは必至で、さらにその余波を受けそうな同じく与党の公明党も、毎回地方選には国政選挙ばりに力を入れているだけに、その筋からの強い要望もあったようだ。

そのうえ消費税は一応、建前上は社会保障財源ということで、そうなれば今回の財源としては法人税をアテにするしかないといったところ。だが、そんな流れに対し経団連の十倉会長は、つい先日の7日にも「広く薄く、全体で負担すべきものだ」とコメントするなど、負担増に不満と警戒感がアリアリといった様子のようだ。

「バカヤロー!」という怒声が階下にまで……

このように今回の岸田首相による“増税検討指示”に対し、立憲民主党の泉代表は「安易な増税は許されず、まずは歳出改革で防衛費の中でもむだを省いていかなければならない」と述べるなど、当然野党サイドからは反発のがあがっているところ。

いっぽう、鈴木財務大臣は今回の件を受けて「国民の理解が得られるよう丁寧に説明する必要がある」と発言したのにくわえ、世耕参院幹事長も「今年中に増税する税目などの結論が得られるほど、状況は熟していないのではないか」とコメント。さらに西村経済産業大臣も「このタイミングでの増税は慎重にあるべきだ」と語るなど、自民党内からも慎重論が噴出している。

現に、9日に行われた自民党の政調全体会議でも、議員らからの反対の声が殺到したといい、「バカヤロー!」という怒声が階下に聞こえるほど白熱したとのことだ。

防衛費確保のための増税によって、国民の間で広がりつつある投資ムード、さらには企業の賃上げ機運にも水を差すのでは……というのが、これらの慎重論の根拠のようだが、そのいっぽうで萩生田政調会長からは「全てを税で賄うとか、来年から増税が始まるとの間違ったメッセージを統一地方選前に出すのは大きなマイナスだ」と、素直すぎる発言も。やはり、選挙への影響が相当気になるというのが、自民党内での反対論者らの偽らざる本音といったところのようだ。

となれば、逆に来春の統一地方選が済んでしまえば、経済界の意向にも忖度する形で、増税の対象が所得税などにも及ぶのも仕方なし、といった流れになる可能性も否定できないところ。これまで何度も見せられてきた、そんなお決まりの“手のひらクルー”に対し、SNS上では早くも警戒する声が多くあがっているようだ。

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