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選挙前の風物詩?政府、低所得世帯に“10万円給付”の方針。参院選後は国政選挙が当分無く「最後のバラマキ」「増税で即回収」が濃厚か

政府が2022年度から新たに住民税が非課税となった低所得世帯を対象に、現金10万円を支給するという方針を固めたと報じられている。

長期化するコロナ禍、さらに昨今の物価高で深刻な影響を受けている生活困窮者世帯を支援する狙いがあるというこの施策。昨年度にも非課税世帯を対象とした10万円給付の措置が決定し、今春から支給が本格的に始まっているとのことだが、今年度も引き続き困窮者世帯への支援が必要だと判断されたようだ。

今後、自民・公明両党による協議を経て、来週にも正式に決定する予定のようだ。

「最後のバラマキか」といった見方も

今夏に控える参院選まであと2~3か月といったこの時期に明らかにされた、新たなる10万円給付の話。タイミングがタイミングなだけに、SNS上ではやはり「どうせ選挙対策」といった見方が、さらには「選挙が近づいていることを知らせる風物詩」といった声まであがっている状況だ。

実際、昨年行われた衆院選の際にも、18歳以下のすべての子どもに1人当たり一律10万円相当を給付するというプランが、選挙前に浮上したのは記憶に新しい。その際にも「選挙対策だ」との批判が噴出し、戦前は大苦戦も伝えられていた与党・自民党だったが、蓋を開けてみれば絶対安定多数を確保する事実上の勝利となっただけに、それに味を占めて今回も……といったところなのだろう。

とはいいながら、一番最初の10万円給付は全国民が対象だったのに対し、先述した給付は18歳以下限定、さらに今回は困窮世帯のみが対象に。全国民への再びの一律給付を求める声もいまだに根強いにもかかわらず、その対象がどんどんと狭まるいっぽうであることにも、不満の声は少なくないようだ。

またいっぽうでは、これまで選挙前になると決まって浮上していた“バラマキ”も、今回を最後に当分は行われないのでは、といった見方も。というのも、今夏の参院選が終われば、向こう3年は衆院の解散などがない限り、国政選挙は行われないからだ。

自公政権にとっては、国民の顔色を窺う必要もなく好き勝手にできる、いわば「黄金の3年間」がやってくると早くも指摘されている参院選後だが、そうなると考えられるのが消費税などの増税。10万円給付で喜んだのも束の間、その分は早々に税金で持っていかれることとなりそう……というのが大方の見方のようだ。

自民党の“文通費寄付”にも批判の声

それにしても、選挙前に国民の歓心を買うために行われるのが恒例となりつつある各種“バラマキ”だが、貰って「嬉しい」あるいは「助かる」といった声もなきにしもあらずだが、その原資はもちろんのことながら税金。それを与党側は給付金という形で再び戻すことで、あわよくば国民からの支持を得ようとしているわけだから、盗人猛々しいにも程があるといったところ。

さらに盗人猛々しいといえば、昨年10月に各議員に支給された100万円の「文通費」を巡る自民党の対応にも、ここに来て批判が殺到している状況だ。

先の衆院選で当選した新人議員らに在職1日で満額支給されたことが、大いに問題視されていた昨年10月分の文通費。これに関し与野党は、それぞれの党が所属議員からひとまず回収し、その後の国庫返納については各党協議会の決定を受けたうえで対応することで、すでに合意していた。

ところが自民党は、その申し合わせに反する形で、回収した文通費を独自に日本赤十字社のウクライナ人道危機救援金に寄付。そのうえで自民党の茂木敏充幹事長は「いまだに返納の手続きを取っていない党があると聞いている」「言行一致を求めていきたい」などと、野党側を批判したというのだ。

要するに自民党サイドは、世間の関心事となっている文通費問題を利用する形で、自らの好感度を上げるとともに、野党側を思いっきり貶めようと画策したわけだが、この文通費ももちろん先の給付金と同様に元々は税金。それを勝手に寄付して野党側にドヤ顔しようとしているわけだから、まさに呆れて物が言えないとはこのこと。そんな与党側の人気取りのためばかりに税金が投入される状況に、「それなら減税してくれ」といった声が噴出するのも当然といったところだろう。

Next: 「黄金の3年間とやらで消費税19%も…」

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