■ステップ<9795>の業績動向
2. 財務状況と経営指標
2025年9月期末の財務状況については、資産合計は前期末比1,310百万円増加の30,571百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が1,829百万円の減少となった。金利の上昇を受けて手元資金の一部で投資有価証券(国債、高格付けの社債)を購入したことが主因だ。固定資産は減価償却の進展により有形固定資産が36百万円減少した一方で、投資有価証券が2,933百万円増加した。
負債合計は前期末比124百万円増加の3,148百万円となった。有利子負債が136百万円減少した一方で、資産除去債務が217百万円、預り金が38百万円増加した。資産除去債務の増加は、工事費の高騰に伴って、賃借物件における将来の原状回復費用の引当金を積み増したことによる。純資産は同1,185百万円増加の27,422百万円となった。配当金支払い1,268百万円と自己株式取得465百万円(減少要因)があったものの、当期純利益2,689百万円の計上が増加要因となった。
経営指標を見ると、自己資本比率が89.7%と引き続き高水準で推移し、有利子負債比率も0.4%と実質無借金経営となっている。ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)は前期末比で1,693百万円減少したが、投資有価証券も加味すれば同1,240百万円増加の12,440百万円と過去最高水準を更新するなど、財務内容は良好と判断できる。現在は、横浜・川崎方面に高校部の新たな校舎の展開を計画しており、将来の高校部への設備投資に資金を充てる方針である。また、昨今の金利環境の変化に鑑みて財務戦略を見直し、安全性の高い債券による資金運用を図っていくこととした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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