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「雪国まいたけ」が上場廃止へ!ところで廃止後、株ってどうなるの?

東証2部に上場していた「雪国まいたけ」に対し、米大手投資ファンドのベインキャピタルが進めていたTOBが、4月7日に成立したと発表されました。これにより「雪国まいたけ」は上場廃止となる見通しで、買収額は90億円ほどとのこと。ところで、上場廃止になったら株はどうなるのかご存じですか?上場廃止になるには、おおまかに分けて3つのルートがあり、廃止後の株は、どのルートを通るかによって大きく変わってきます。

会社が買収され上場廃止となった場合

今回のようにTOBが成立し、上場廃止へ向かう場合では、TOB期間中に売らないと、多くは買収する会社が指定した価格で強制的に買い取られることになります。

そもそもTOBとは、株式公開買い付けの略称。株式を取得するために買い付け内容を公開し、証券取引所を介さずに株主から買い付けることです。今回の事例では、2月24日から4月6日の期間TOBを実施すると発表し、1株あたり245円で買い付けるとしていました。

上場要件を満たせずに上場廃止となった場合

次に、上場要件を満たせず上場廃止となる場合です。上場するには株主数や時価総額などに一定の条件があります。一度条件を満たして上場したが、その後に不祥事などで要件を満たせない状態が続いた時は、上場廃止になってしまいます。この場合は、上場廃止になったとしても会社が倒産するわけではないので、株の価値はゼロにはなりません。しかし上場していないということは、好きなときに売買することはできません。

会社が破綻し上場廃止となった場合

会社が破綻した場合、その会社の株を証券取引所が「整理銘柄」に指定します。これは上場廃止が決まった銘柄のことで、原則では1カ月間ここで取引が行われ、上場廃止となります。そのため、上場廃止までの間に株を購入することができ、儲けを狙った短期投資などが入って株価が乱高下することもあります。

そして上場廃止後は、100%減資か、99%減資かによってその後は大きく異なります。100%減資の場合は、破綻した会社が0円で全ての株を回収します。そのため、株の価値はなくなります。

しかし99%減資の場合、株の数が100分の1になるということなので、1株の価格が100倍になります。「100倍になるということはすごい儲かる」と思うかもしれませんが、減資と一緒に第三者割当が行われることがほとんどです。この第三者割当とは、特定の第三者に新しく発行した株を買ってもらうこと。この時に安い値段で株式を大量に発行するため、もともとの株の価値が大きく下落します。しかし価値がゼロになるわけではなく、再度上場して株価が上る可能性も少なからず残っています。

以上3つが、上場廃止後の株の行方です。上場廃止となるにはそれなりの理由があって廃止となるため、多くの場合、株は無価値になってしまいます。そのため価格が安くても、損切りしておくという考え方が一般的です。

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