「ワクチン接種さえすればコロナ終息」という考えは甘すぎる
米国ハリウッドのスパイ映画などでは、生物化学兵器が作られて悪者が世界にバラまこうとしても、とにかくそれを阻止しようとした正義の見方がまかり間違ってそうした薬を打たれてしまっても、解毒薬をすぐに注射すれば事なきをえる……といった楽観的なストーリーが多く存在します。
しかし、現実はそううまくは行かないもの。実際のウイルスのワクチンの場合、かつてのSARSにしてもHIVにしても、一定の抑止効果はあっても100%感染を終息させられるものなど世の中に出回ったことはないのが実情です。
「ワクチンは万能」という発想が、かなりの空想かつ希望的観測に基づくものであることを改めて感じさせられる状況です。
世界経済のさらなる悪化は覚悟すべき
日本でも合理的な理由もなく非常事態宣言が1か月延期となり、さらに3月7日に解禁されるかどうかもよくわからない状況に陥っています。
今年の経済は各国ともにそう簡単に回復するとは思えない状況になってきており、とくに海外の第1四半期、本邦における2020年度の第4四半期については、劇的に悪化した経済数値が示現する危険性がかなり高くなっていることを感じます。
米国では、とにかくイエレン財務長官・パウエルFRB議長のMMTコンビ(一説にはマジカルミステリーツアーコンビとも呼ばれているようですが)が、爆発的な財政出動を金融緩和を継続する限り、株価は上昇軌道に乗ったまま上値を試す…という楽観的な見方が跡を絶ちません。
現実の経済がここまで悪化しているなかで、実態経済を一切無視して上昇し続けられるのかどうか。これには大きな疑問を感じるところです。
手痛い相場の下落が示現する可能性も、常に考えておく必要が出てきていることを痛感させられます。