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ユニクロで読みとく日経平均バブルの賞味期限。ファストリ株10万円超は割高か否か?=栫井駿介

どうしてここまで上がったか

では何故こんなに日経平均を大きく動かす、ファーストリテイリングの株価だけがこんなに上がってしまったのかということを解説したいと思います。

結論から言うと、一番大きいのはやはり新型コロナに端を発する金融緩和です。世の中にお金がジャブジャブに出回って、投資家の手元にもたくさんお金が残るということになりました。

コロナの初期はこれらをDX(デジタルトランスフォーメーション)銘柄に投資していれば、間違いなく伸びるということが考えられましたから、これらの株がどんどん上がりました。

相場というのはこうやってアップルとかエムスリーなどがガンガン上がりましたが、相場というのはこれらのテーマがどんどん循環していきます。

DXやスーパーなどもコロナ禍では良いみたいな話があったのですけれども、いつまでも伸びが続くわけではなくて、いろいろと入れ替わります。

そうこうしているうちにどこのテーマが結局盛り上がるか分からないけれども、これだけお金があふれているのだったら、いよいよ指数全体、インデックスを買っていればいいのではないかという風に思うわけです。

そして日本のインデックスは何かというと、やはり歪んだ指数ではありながら一番有力なのは日経平均株価なのです。

すなわち、投資家はこうやって指数を買おうという風に考えるようになります。

そして、日経平均を買うからには自動的にファーストリテイリングをたくさん買うということになりますし、また逆を見越してみんなが日経平均を買うなら、そもそもその日経平均の一番占めているファーストリテイリング買っておけば、他の人も買ってくれるよねというような考えが働いた結果、日経平均ないしファーストリテイリングの株価が大きく上昇したという結果になりました。

すなわちファーストリテイリングや日経平均は、こういう金融緩和に大きく動かされたある種、プチバブル的な様相を呈しているのではないかというのが私の考え方です。

バブルは金融緩和とともに終了か

では、これがいつ終わるのか?というところまで考えたいと思います。

この日経バブルで間違いなく言えることは、今の金融緩和の終了があれば終わる可能性が高いということです。

お金がジャブジャブでしたけれども、その条件が無くなってしまうということは、徐々にこういったリスク資産から資金が引き揚げていくということになるので、この金融緩和の終了=テーパリングと言うのですが、この議論が始まった時点でそれを織り込んで株価は下がり始める可能性が非常に高いと考えています。

また先程テーマが循環すると説明しましたが、DXなどがもう1回盛り上がるということもあって、その場合はユニクロはDX銘柄ではないので、そっちに資金が動くということもあるでしょう。さらには、今はコロナが中心ですけれども、世の中の状況が変わってコロナ以外のテーマが盛り上がるかもしれません。

そういったことがあれば、ファーストリテイリングからまたお金が出ていくことも考えられます。

また、ファーストリテイリング自体も悪材料が出る可能性も十分にあります。例えば創業した柳井さんに何かあったら、柳井さんなくしては今のユニクロ成長というのはありえないので、ここが悪材料になるような可能性というのももちろんあるでしょう。また今はESG投資なんかも言われていますが、かつてユニクロはバングラデシュの工場で劣悪な条件で労働者を働かせているということで問題になったことがあります。

そういった問題が仮に出てきたとしたら悪材料とみなされて、ファーストリテイリングの株価も下がるということもあり得ると思います。

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