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ユニクロで読みとく日経平均バブルの賞味期限。ファストリ株10万円超は割高か否か?=栫井駿介

「ファーストリテイリング」が日経平均株価を押し上げている

ファーストリテイリングの株価というとここにきてなんと10万円を超えてきていますから、それが日経平均を大きく動かしているということになります。

それが見ことに表れているのがこのファーストリテイリングの株価で、コロナの時は一時期4万円ぐらいまで下がったのですが、それがぐいぐい上昇して、ついに10万円になりました。

ファーストリテイリング<9983> 日足(SBI証券提供)

ファーストリテイリング<9983> 日足(SBI証券提供)

ちなみに株式の取引というのは一般的に100株単位ということになるので、10万円ということは1単元を買うのになんと1,000万円もの資金が必要になってきます。

この上昇で業績に対する株価、すなわちPERがどれくらいになったのかというと、なんと直近の予想に対して66倍というかなり高い数字になっています。

これがコロナで一時的に業績が悪い所に対して株価が66倍ということならば、一時的な現象ということもできるのですが、このベースとなっている利益は今年度8月期の過去最高益に対する利益なのです。

過去最高に対するPER66倍ですからこれは一時的にPERが上がっているということではなくて、それだけファーストリテイリングに対して投資家の高い評価がかかっているということになります。

ユニクロの業績は?

では、ファーストリテイリングの業績どうなのかというと、以下のように確かに右肩上がりに成長しています。

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青で示した売上高はコロナで一時期落ち込んだとはいえ、右肩上がりが続いています。また赤で示した営業利益もどんどん上がっていて、2021年8月期過去最高水準の予想となっています。

これだけ成長しているならPER60倍は高いけれども、許容できる範囲なのではないかと思う人もいるかもしれません。

ところが、詳細に噛み砕いてみると必ずしもそうとは言い切れない数字が出てきます。

過去5年間ユニクロがどうやって成長してきたかというところを見ると、売上高は5年で1.23倍になりました。これは年率換算にすると4.2%の成長ということです。

売上高以上に変動幅の多い営業利益は、5年前と比較すると1.92倍になっています。これは年率にすると13.9%ということになります。

ただし、5年前というと極端に落ち込んだ時に対する成長率ということにもなります。

これだと少し歪みが出てくると見られますので、1年ほど戻して落ち込んでいない時の利益とも比較してみますと、6年で1.49倍ということになります。これは年率換算すると6.9%ということです。

Next: 割高そのもの!? ユニクロの株価は7年先の成長まで織り込まれている

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