「異常なし」を繰り返す東電
さらにそれに先立つ19日東京電力は福島第一原発1号機と3号機において原子炉格納容器内の水位が30センチ以上低下し、今もその状況が続いていることを発表しています。
※参考:地震影響 福島第一原発 原子炉の格納容器 水位低下傾向続く | 福島第一原発 | NHKニュース(2021年2月23日配信)
13日の大地震で10年前に損傷を受けた部分がさらに広がり、原子炉建屋内に漏れ出る水の量が増えていることが窺われる状況です。
さらに、東京電力は福島第一原発1号機の原子炉格納容器の圧力が低下したと発表しています。
※参考:福島第一原発1号機 原子炉格納容器の圧力低下 13日地震影響か | 福島第一原発 | NHKニュース(2021年2月22日配信)
1号機の原子炉格納容器は21日夜に圧力が通常の1.2キロパスカルから0.9キロパスカルまで低下したことが確認され、22日朝、周囲の気圧と同程度となる0.15~0.20キロパスカルまで下がり、低下が止まったとしています。
これだけ読むと単に圧力が低下しただけで、たいしたことではないかのような印象を受けます。
しかし実は、東京電力は原子炉の格納容器に窒素を注入して圧力を一定に保ち、新たな水素爆発を防ぐ措置をとっているということですから事態の深刻さに驚かされます。
東京電力は常に気体が漏れても現時点では放射線量に変化はないとしていますが、まともに壊れた地震計の修理もしていない会社に「放射線量は異常なし」などと言われても、にわかには信用できないのが現実です。
近隣でとれたクロソイから2年ぶりに基準超え放射性物質
さらに、悪い話は次々とチェーンリアクションのように続くもの。
22日に福島県沖で行われている、いわゆる試験的な漁において、水揚げされたクロソイという魚から、基準を超える放射性物質が検出され、福島県漁連はこの魚の出荷を停止することとなっています。
※参考:クロソイから基準超セシウム 2年ぶり、出荷停止―福島県漁連:時事ドットコム(2021年2月22日配信)
この基準を超える放射線物質が近隣の魚から検出されたのは2年ぶりとのこと。
先の13日の地震とそれに伴う放射線物質の漏れと何の関係もないのかどうか、相当な素人でも気になるところです。