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日本の英語教育は薄っぺらい。海外移住者が悟った「6年間も勉強して話せない」理由=栗原将

なぜ日本人には英語を話せない人が多いのでしょうか。「6年間も勉強しているのに英語ができない」ということをよく聞きますが、英語圏に海外移住した経験を持つ私が思うのは、圧倒的に勉強時間が足りていないということです。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)

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海外移住者が帰国するとよく頼まれる「英語を教えて」

海外移住したタイから日本に一時帰国しましたら、知り合いから「子どもに英語を教えてもらえませんか」とお願いされました。

そのため、30年ぶりに中学生向けの英語の参考書を買って眺めていたのですが、そこで驚愕したことがありました。

それは「interest」という単語です。

「interesting」の方が知っている人は多いでしょう。中学校で習う単語です。「〇〇に興味がある」と覚えるよう指導されます。ですから、形容詞「interesting」の名詞である「interest」は、「興味」ということになります。

これ自体は間違いではないのですが、私が驚いたのは、購入した単語集には、これ以外に重要な表現が書かれていなかったからです。

英語教育のダメな点を再確認

実社会でよく使う「interest」は、「金利、利息」という意味です。

銀行のHSBC香港に預金したら、オンライン通帳・明細には「interest」と書かれています。

ここで日本の中学レベルで英語が終わってしまった人は「なんで興味なの?」と思うわけです。それも仕方のないことでしょう。習っていないのですから。

でも、繰り返し言いますが、日本以外の国で仕事をしていて出てくる「interest」のよく使われる意味は、この「金利、利息」なのです。

語源はラテン語の「金利」から、「楽しい、興味深い」と意味が広がっていった。このような語源説がありますが、個人的には英語を覚える時には、語源をもっと重視した方が苦労せずに覚えられるものです。

inter → 間に(介在する)
est → ラテン語で「存在する」の意

「間にある」ことで金利になり、金利は、預金している人にとっては「楽しみだ、だから興味深い」という風にイメージできれば、イメージを鮮明に覚えられるます。

それなのに、「興味がある」までしか教えないのは実にナンセンスです。だから、次のような迷和訳(?)をする人が出てくるわけです。

conflict of interest → 興味の激突?

正しくは「利益相反」なのですが、興味しか習っていない人にはさっぱりわからない。

ほかにも大学レベルでもひどい和訳はありまして、一例が経済用語の「market failure」を「市場の失敗」と教えられたものですが、正しい意味は失敗ではなくて、「不作為」ですね。

でも、日本の英語教育では、失敗という訳が“付けられて”いるので、こうなってしまうのです。

支払いの「failure」を、支払いの失敗?と訳した人を見たことがありますが、仕方ない…。これだから、英語が苦手という人がまったく減らないのだろうなぁと再認識した次第です。

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