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日本人は「自粛GW」を捨てよ、旅へ出よう!緊急事態宣言は貧困化政策、為政者の自己保身に付き合う義理はない=午堂登紀雄

医療に全リソースを投入して支援し、経済は解放する

死者数の多い欧米とは違うのですから、医療と経済の「両立」が望ましいところですが、結局ボトルネックになっているのは患者の受け入れ体制、つまり病床の確保、特に重症病床ではないでしょうか。

たとえば工場の生産ラインを思い浮かべてもらえばわかりやすいですが、途中工程のボトルネックを解決することが全体の生産性向上につながることがあります。コロナ対応も同じく、社会活動が制約を受けるボトルネックが重症病床など医療の受入れ態勢で、その解消が最優先のはずです。ボトルネックを突き止めてそこを解消することは問題解決における定石でしょう。

患者数が何千人増えても何万人になっても、バンバン受け入れ可能ですよ、治療可能ですよ、一般患者も問題ないですよ、という体制ができれば、現状の感染対策を続行しつつ経済を解放することに、国民はそれほど恐怖感はないと思います。

むろん怖い人は引きこもっていればいいのですが、活動するにしろ自粛するにしろ、国民には「選択」の余地が生まれ、自己責任による自己決定が可能です。それは理不尽ではなく、納得感を醸成します。

なのに、1年前の最初の緊急事態宣言のときも「病床ひっ迫」「医療崩壊」などと騒いでいましたが、また同じことで騒いでいる。この1年の間に何をやっていたのだろうと思います。「経験から学ぶ」ということをしないのでしょうか。

海外では1日数万人もの感染者に対応しているのに、日本では感染者が5,000人を超えて「医療崩壊だ」と泣き言を言っています。この差はなんでしょうか?

そういえば私が住む千葉県でも、「幕張メッセを軽症患者の収容所に改修」という話をちらと聞いたことがありますが、立ち消えてしまったようです。

看護師が足りないという意見もありますが、経済を解放すれば飲食店に配る1兆円以上の予算が回せます。それだけの資金があれば、力技で病床を整備することも可能でしょう。

たとえば経営難の民間病院を国が買収して一時的に国有病院にする方法だってありえる。ほかにもコロナ対応の医師・看護師には、極端な話「月収300万円」などとすれば、現場を離れた元看護士も戻ってくれるかもしれません。1つの病院に100億円を投下しても、1兆円あれば100か所のコロナ受け入れ病院を増やせる(かもしれない)。コロナ患者を受け入れれば一般患者が減って経営が苦しくなることが予想される民間病院にも、たっぷり予算を配分して救済すればいい。

これなら税金投入は医療分野だけに絞ることができ、経済を殺すことはありません。むろん、前述のような一部で焼け太りを生む不公平な協力金を1兆円以上バラまくという愚策も必要ありません。

経済を解放すれば、「GoToキャンペーン」も各種給付金も不要になるので、医療支援に回せる予算はもっと確保できるでしょう。何をやってもやらなくてもトレードオフになるのなら、最も重要なポイントに重点的にリソースを投入していけばいい。

それなのに、たとえば見回り隊が東京都内10万件の飲食店をチェックして回る?これはリソースの使い道を間違えているとしか思えないのですが。

そんな暇があれば、「民間病院にコロナ患者受け入れを1件1件要請して回る」「コロナ患者受入れ態勢に関する研修をして回る」方がメリットがありそうです。

国家による壮大なマッチポンプが日本人を殺す

そもそも経済活動を止めれば大幅な税収減になります。

なのに、税収減になる経済活動を止めておきながら、飲食店等に税金で補填というのは、国家によるマッチポンプにしか見えません。自分で火をつけておいて自分で火消しに回る、みたいな。

経済活動を止めなければ税収は確保でき、コロナによる補償や給付などの支出も不要になる。財政余力があれば、さらに集中的に医療体制強化につなげられるはずでしょう。

なのに、わざわざ財政悪化に舵を切るとは、プライマリーバランスどころかもう、財政再建は不可能で、将来はインフレしかないような気がします。

すると、国民の多くは「貯金」で老後を切り抜けようとしているわけですが、現預金はインフレで目減りしますから、悲惨な老後を迎える人が続出するのではないかという危惧があります。

だからというわけではないと思いますが、富裕層は株式や不動産を買い増ししていますから、ますます格差が広がりそうです。

とするとこの自粛策は、国家による日本人貧困化政策になるような懸念があります。

Next: なぜ政府は動かないのか? メディアや医療関係者にもそれぞれの思惑

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