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五輪の収支決算を開示せよ。菅政権の狙い通りに国民熱狂、あとに残るは廃墟と借金=斎藤満

「安心・安全の大会」は名ばかり

感染防止のためには人流を抑える必要があるという一方で、政府は五輪開催に合わせて祝日を移動し、22日からあえて4連休にしました。

五輪を会場で観戦できない中で4連休となれば、外出、旅行を煽ることになります。

実際、高速道路は渋滞しています。それだけ首都圏から地方に向かった人が多いと見られ、都内の感染拡大が地方に広がるリスクを高めました。

安心・安全を脅かす問題は、コロナだけではありません。

高温多湿の日本の夏に五輪を開催するリスクとしては熱中症もあります。このためにマラソンを札幌開催に移しましたが、先には北海道の北見や十勝で37度の高温を観測、札幌の気温も予断を許しません。

23日にはロシアのアーチェリー選手が熱中症と思われる症状で倒れました。屋外競技では万全の医療体制が必要です。

国民の生活を犠牲にしても強硬開催

五輪開催にあたっては、国民の負担も少なくありません。五輪関係者の移動を優先するために、首都高の利用が制限され、かつ高速料金に1,000円の上乗せがなされました。

周辺の道路では渋滞が発生しています。これによって、食料品などの物流に遅れが生じたり、宅配便の配送遅れも生じました。

開催間際になって、コロナワクチンの不足問題が発生、職域接種や大規模接種の予約が停止されました。その一因として、もともとモデルナ社のワクチンが6,000万回分ではなく、1,370万回分しかなかったことと、その上に急遽五輪のボランティアなど、五輪関係者に優先接種を行ったためといわれます。

五輪間際に1回のワクチン接種をしても効果は限られるとの批判に対して、丸川大臣の答えが物議を呼びましたが、そこまでしてボランティアの方にワクチン接種をしながら、無観客での開催となって、多くのボランティアの方の活躍の場がなくなってしまいました。

選手や関係者へのワクチン接種に対する組織委員会の無計画さが浮き彫りされました。

東京都への緊急事態宣言も酒類の提供自粛も、五輪開催のために何とか感染を抑えたいとの政府の意向が伺えますが、結局、五輪開催のために、酒類提供業者や飲食店、国民が不自由な生活を余儀なくされたことになります。

五輪開催前に、国民のお祭りムードが盛り上がらないのはやむを得ない面があります。

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