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災害だらけの日本で「安全な土地」に家を建てる5つの方法。不動産プロが徹底解説=姫野秀喜

チェックポイントその2:ハザードマップを活用する

人間、誰しもが好きなように日本全国を引越しできるわけではありません。みんな、今、住んでいる地域で仕事をしているわけで、そこから大きく移動することはできないからです。
 
そこで活用してほしいのが、各自治体が発行しているハザードマップです。

このハザードマップは、近くの河川が氾濫した時や、台風・大雨の時などシチュエーションごとに浸水状況をわかりやすく表示してくれる便利な地図です。

各自治体によって異なるのですが、水害発生時には広範囲に浸水することが判明している、東京の江戸川区や足立区などでは、かなり詳細な冊子を配布しています。また、ハザードマップはインターネットからも参照することができますので、自分が住みたい家とその周辺がどれくらい浸水するのかを事前に把握することができます。

このハザードマップですが、実際に浸水したエリアとマップで予想したエリアはかなりの確率で一致しており、信頼性は相当高いです。

チェックポイントその3:現地を歩き、微妙な高低差・傾斜を調べる

ハザードマップで浸水について確認した後は、実際に現地を歩いて調査しましょう。私は2019年、武蔵小杉のタワーマンションが浸水被害を受けたときに現地を歩いて調査してきました。

武蔵小杉にはいくつものタワーマンションがありましたが、なぜ1棟のみが浸水の被害を受けたのか、実際に現地を歩くことで気づきがあったからです。

ほぼ同じ立地の武蔵小杉のタワーマンションにも関わらず、浸水した棟とそうでない棟、その明暗を分けたのは、微妙な傾斜・高低差でした。

浸水したタワーマンションの前面道路は周囲よりもほんの少しだけ低かったのです。たった50センチくらいの高さの差。普通に街を歩くだけでは気づかない、微妙な傾斜・微妙な高低差です。

台風の豪雨により排水量が下水の能力を上回った結果、周辺の道路に水があふれ出し、この微妙な傾斜により一番低い道路に面したタワーマンションが被害を受けたのです。

※参考:武蔵小杉のタワーマンションはなぜ浸水したのか – 姫屋不動産コンサルティング(2019年10月16日配信)

この微妙な傾斜や高低差は、実際に被害を受けた後の街を歩けば誰でもわかることですが、天気の良い日に見学しただけでは、たぶん気づくことができないと思います。

見学自体は天気の良い日でも構いませんが、災害で大雨が降った時を想定し、実際に周囲を歩いて前面道路がほんの少しでも低くなっていないかという点を注意して立地を見ることが大切です。

Next: 崖の近くはやっぱり危険。その土地の「地名」にも大きなヒント?

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