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横浜市長選で報道されぬ「創価学会vs共産党」組織票をめぐる泥試合。菅総理は何に敗れたのか=原彰宏

自民党による分断攻勢

自民党側も、「結局は野党共闘うまくいかない」と“たかをくくっていた”ところに、今回の横浜市長選挙結果です。

横浜市長選挙では連合の抵抗はなく、壇上で立憲民主党と共産党の議員が机を並べていました。

こうなると、自民党は、共産党を野党共闘から引き剥がすことを画策してきます。野党内にくすぶる「反共」の思いに、自民党が手を伸ばしてくるというのです。

コロナで日本が危機状態のときに、与野党の争いを超えた救国内閣を作る、つまり「大連立」を仕掛けてくる。当然、共産党抜きの保守、中道保守、リベラル連合…。

日本会議研究の第一人者で著述家の菅野完氏は、自身のYouTube番組でこう危惧しています。番組後半で「大連立」の危惧を述べています。

自民党が政権を取るためには何でもやってくることは、理解しています。かつての「自社さ連立政権」で社会党委員長を総理に担いだことが、その典型ですからね。自民党、恐るべし…です。

とにかく、共産党との野党共闘が政権交代の鍵になることは、間違いありません。というか、共産党と組まない限り、野党が政権を取ることはないということです。

郷原信郎氏の「落選運動」

出馬を取りやめた郷原信郎氏は、独自の情報と見解で「山中竹春氏は絶対に政治家にしてはいけない」と訴え続けてきました。横浜市立大学におけるパワハラ疑惑。つまり、山中氏の人間性に問題があるという、このような人が権力を持つことの「危うさ」を強く訴えていました。

同時に、横浜における「菅勢力の一掃」を主張され、当然、小此木氏が市長になることも「許さない」という立場を取られています。

とりわけ「コロナの専門家」を全面に出して選挙戦を戦ってきた山中竹春氏は、果たして本当に「コロナの専門家」なのでしょうか。あくまでも「データサイエンス」という分野での研究者であって、医療の臨床現場に立つ人ではありません。

この「コロナの専門家」というフレーズへの横浜市民の期待は、当然、新型コロナ感染対策の成果であり、それは目に見えて感染者が減るということにあります。

今後、横浜市において、感染者数が激減する対策を持っているのか、医療崩壊を招くことがないような対策が取れるのか。そして、それができなかった時の責任をどうするのか…。山中市の選挙戦での主張は、非常にリスキーなフレーズに思えます。

郷原氏の「落選運動」はネット上で展開されていましたが、果たして効果はあったのでしょうか。

選挙結果を見るうえでは、厳しいと言わざるをえませんが、ネット活動があらゆる層に浸透するものではないことはよくわかりました。また、郷原氏の思いと選挙民の意識レベルの差というか、リテラシーの差というものは、拭えないままであったことも否めません。

東京都民ではありますが、圧倒的票で小池都知事を再選させるのですからね…。

個人的には、山中竹春氏を擁立した立憲民主党の姿勢、とりわけ江田憲司氏の擁立に向けた動きに、非常に懸念を持っています。

横浜DeNAベイスターズ初代球団社長である池田純氏を擁立する経緯、それを断った池田氏の言い分が、ダイアモンドオンラインに掲載されています。それを読む限り、「上から目線」の昭和の政党の匂いで、権力と札束でねじ伏せる江田憲司氏のやり方に、非常な嫌悪感を覚えます。
※参考:さいたまブロンコス代表の退任から横浜市長選挙出馬の噂まで、その真相と真意について話します | 池田純のプロスポーツチーム変革日記 | ダイヤモンド・オンライン(2021年6月26日配信)

山中氏の本当の戦いはこれからだと思います。横浜市会での立憲民主党議席は「20/86」です。立憲民主党は、最後まで山中竹春新市長を支えることができるのか。危ういものだと感じます…。

Next: 野党が自民に擦り寄りも?水面下で進む大連立の動き

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