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横浜市長選で報道されぬ「創価学会vs共産党」組織票をめぐる泥試合。菅総理は何に敗れたのか=原彰宏

衰えた創価学会の集票力

創価学会の集票力の衰えは、これまでの選挙でも言われていたことではあります。

国政選挙における学会票は「800万票」が見込まれていたのですが、その数字は年々減っていることは事実で、今では「700万票」がやっとの状態です。

パートナーの自民党のスキャンダルに嫌気をさしているとも言われていて、そのことで創価学会婦人部が、中央の言うことを聞かなくなったということもあります。

婦人部にとって、不倫はもちろん、遠山議員のコロナ禍での銀座クラブ通いは、絶対に許せないことです。

公明党の遠山清彦前衆院議員は、プリンスの中でも「次期エース」と目された人物です。それが婦人部の怒りにより、議員の職を追われるわけですから、創価学会内部が混乱しているのもよくわかります。

沖縄では、辺野古基地反対の先方に創価学会婦人部が立っていて、まさに、中央との“ねじれ”の構図が生じています。

大阪都構想においても、公明党が小選挙区議席を守るために、大阪維新の会と手を組んだ(衆院小選挙区での候補者調整)ことも、創価学会内部では不審を生んでいます。

創価学会学会員の公明党への選挙協力という点において、微妙な温度差が生まれているようです。学会員の高齢化も、ずっと言われてはいますけどね。

野党共闘に怯える自民党

自民党は、選挙における野党共闘の恐ろしさを実感したことでしょう。

野党共闘に、あの共産党が自説を曲げてまでも協力することのパワーを、自民党は、まざまざと思い知らされたと思われます。

野党が連合の支持を受けている限り、絶対に共産党と手を組むことはない…労働組合と共産党は「水と油」「犬猿の仲」以上に仲が悪いのです。

労働組合の成り立ちで、共産党系と反共産党系があり、お互い組合員を取りあった間柄、それも壮絶な組合員争奪合戦が繰り広げられた歴史があったようです。

広島参院再選挙では、広島の「連合」が、立憲民主党議員と共産党議員が、同じ壇上に立つことを許さなかったという経緯があります。

電気労連の支持を得ている国民民主党は、共産党との選挙協力は受け入れられないと、トヨタがある愛知地区中心の国民民主党議員が、立憲民主党との合流には参加しませんでした。

それだけ共産党へのアレルギーが、連合だけでなく、保守系野党の中には強くあるのです。

竹中平蔵氏は、自身のYouTube番組で、「他野党が共産党を受け入れないので、反自民票は必ず割れるから、自民党は勝つ。共産党の存在が自民党を利する」と言っています。

この番組のタイトルが「共産党さんを応援しています」となっているところから、このYouTubeでの内容の「逆」のことが今起きようとしていることは、自民党には「恐怖」だということの裏付けになります。

それが選挙協力をする共産党が、自衛隊や天皇制を議論しない、もし連立政権が誕生したら閣外にとどまるということまで譲歩して、選挙協力をする姿勢を見せていることは、自民党にとっては「恐怖」なのですね。

とにかく、今の自公政権を終わらせる…。

その強い意志があるのは、野党第一党の立憲民主党ではない、共産党にあることが強く伺えます。

Next: 始まった自民党による分断攻勢、秋の総選挙はどうなる?

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