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COP26で露呈「脱炭素=カネ儲け」の構図。合意する海運業界、決裂する自動車業界…各国の思惑は?=江守哲

海運業界の脱炭素化が加速

一方、日米英を含む19カ国は10日、COP26で二酸化炭素(CO2)を排出しない「ゼロエミッション」の海上航路の開設で合意した。海運業界の世界的な脱炭素化加速が狙いである。

2025年までに少なくとも6つの排出量ゼロ航路を開設する。そのためにはゼロエミッション燃料の供給や脱炭素化に必要なインフラ、規制の枠組みなどの開発が必要となる。

合意したのは日米英に加え、豪州、ベルギー、カナダ、チリ、コスタリカ、デンマーク、フィジー、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド共和国、マーシャル諸島、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデンである。

この合意のビジネスへの影響も考えておく必要がある。海上航路に関してだが、海運業界の世界的な脱炭素化加速はコストを生み出すだろう。海運業界とどのような話をしていたのか、このあたりを調べてみたいところではある。

日米中独は完全EV化に消極的

一方、COP26では、2040年までにガソリン車の新車販売を停止し、全てをゼロエミッション(排出ゼロ)車とする宣言が行われたが、これに日本や米国、ドイツや中国などの主要国は参加しなかった。合意したのは二十数カ国のみである。

電気自動車(EV)への急速な移行を掲げた議長国・英国の思惑は大きく外れたことになる。

宣言は、先進国は35年までに、途上国も40年までにガソリン車・ディーゼル車の新車販売をやめ、すべて排出ゼロ車にするというものである。

しかし、英政府が10日発表したリストには、世界2大市場の米中に加え、国内に大手自動車メーカーを抱える日本やドイツ、フランス、韓国などの名前もなかった。

自動車産業を基幹産業としている国にとっては、このようなドラスティックな変化は望まなかったということである。

英国「自動車産業の再興」の思惑は外れた

英国は、1950年代に米国に次ぐ自動車生産台数を誇っていたが、その後は競争力を失った。

EVで先行者利益を確保し、ガソリン車廃止の旗を振ることで、自動車産業の再興を目指していたが、出鼻をくじかれたことになる。

Next: 環境問題は「ビジネス目線」で見る必要

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