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「ビットコイン」検索数が増えると遅れて価格が上昇?ロシア制裁を追い風に年内1000万円台突破の予測も=高島康司

実現の可能性は低い

だが、本当に暗号通貨による天然ガスの国際決済が実現するのだろうか?実は、その可能性は比較的に低いのではないかとする観測が多い。

たしかに、ロシアのウクライナ軍事侵攻で、ロシアとウクライナの両方の市民が、それぞれ制裁と紛争に直面してデジタル資産に目を向けるようになり、ビットコインや他の暗号通貨の相場を押し上げている。ウクライナへの寄付も、暗号通貨による支払いの形をとっている。

しかし、ロシアが商品と引き換えにビットコインや他の暗号通貨を相当な規模で受け入れる可能性は低いと思われる。暗号通貨の使用は、戦争が始まって以来、ロシアとウクライナの両方の個人の間で広まっているものの、国家による組織的な採用は、はるかに異なる問題だからだ。決定的なのは、ロシアの最も重要な同盟国である中国が、実際にビットコインを中心とした暗号通貨を禁止していることだ。

むしろ中国は、ルーブルや人民元建ての決済に乗り気で、こちらの方向に舵を切りつつある。またインドもルーブル決済容認へと動いている。これを見ると、やはりビットコインを中心とする暗号通貨は、国家的な組織による国際貿易の決済手段ではなく、個人による資産移転や寄付の手段としての用途に限定されるように見える。

だが、ロシアから天然ガスの決済手段に暗号通貨の使用を示唆する発言は、暗号通貨の相場を大きく押し上げる要因になったことは間違いない。現在のような不安定な状況が続くと、ビットコインを中心とする暗号通貨の相場の上昇トレンドは、今後しばらく続くと見て間違いなさそうだ。

リオデジャネイロの動き

ところで、暗号通貨の相場の上昇を後押ししているのは、ロシアやウクライナの情勢だけだけではない。先週はブラジルのリオデジャネイロ市が興味深い発表をした。2023年から不動産税にビットコインを利用可能にするというのだ。

市域内の都市不動産に関連する税金、通称IPTU(Imposto sobre a propriedade predial e territorial urbana)に対するビットコインの支払いを正式に受け付けを開始する予定だ。これは新しい暗号税法に基づくものであり、2023年から実施されるとしている。

この構想の展開により、リオデジャネイロ市はビ、ットコイン納税を可能にするブラジル初の都市となる。

このシステム運用を可能にするために、自治体は暗号通貨をレアルに変換することが必要になる。今後、レアルへの転換を専門とする企業と契約する予定だという。この方法で、市役所はビットコインで受け取った税金を、レアルに転換することができる。

さらにリオデジャネイロ市は、同市が中心となって、暗号通貨の堅実な市場を開発するという。税金の支払いに暗号通貨を統合することによって、暗号通貨の流通を刺激し、将来的にはこれを、例えばタクシーなど他の分野のサービスに拡張する計画だ。さらに、芸術、文化、観光など様々な市場において、積極的にNFTの導入も進めるとしている。

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