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「ビットコイン」検索数が増えると遅れて価格が上昇?ロシア制裁を追い風に年内1000万円台突破の予測も=高島康司

依然として強気のエルサルバドル

このようなリオデジャネイロ市の動きは、ロシアやウクライナほどではないものの、ビットコインを中心とする暗号通貨の相場を押し上げる要因のひとつには、間違いなくなっているようだ。

さらにこの動きを後押ししているのが、世界で始めてビットコインの法定通貨化に踏み切ったエルサルバドルである。

実はエルサルバドルのビットコイン法定通貨化の動きは、決してうまく行っているとは言えない。大手格付け会社「ムーディーズ」の推計によると、エルサルバドルは最近、ビットコインが急落した際に、実際には2,200万ドルもの損失を被った可能性があるとしている。また金融ニュースサイト、「FXエンパイアー」が伝えたところによると、エルサルバドルが昨年8月にビットコインを法定通貨にして以来、ビットコインはその価値の4分の1以上を失っているという。

エルサルバドルは、ビットコインの法定通貨化で高い経済成長を記録した。しかしこれは昨年までのことであった。ビットコイン相場の急落を受けて、エルサルバドルの財政は逼迫した。そのためブケレ大統領は、IMFに融資を依頼したが、IMFは市場や消費者へのリスクを理由にビットコインの法定通貨化に反対したため交渉は決裂した。

それでもエルサルバドルが、ビットコインの法定通貨化の方針を転換する兆しはない。むしろ、強気の姿勢には変化がない。IMFに融資を拒否されたこともあって、ビットコインに裏打ちされた債券を発売し、国のために10億ドルを調達するとしている。エルサルバドルの財務省は、3月中旬にも発行すると発表していたが、ロシアのウクライナ戦争と暗号通貨のボラティリティを理由に延期している。

それでも債券発行の方針には変更がないようだ。政府は収益の半分をインフラ整備に充てる計画だ。またエルサルバドルは、死火山のふもとに「ビットコインシティ」と呼ばれる非課税地帯を作ることも計画している。そこでは、火山の地熱を利用して、ビットコインのマイニングも行うとしている。

このように、ビットコインが急落したにもかかわらず、エルサルバドルのビットコインの法定通貨化をベースにした多くの計画は変更なく続いている。強気の姿勢は変わっていない。これがうまく行けば、エルサルバドルは小国の経済発展の新しいモデルになる可能性が大きい。

そうなると、ビットコインの法定通貨化の動きは他の国々にも波及してビットコインの相場を大きく押し上げることにもなってくる。こうした期待が、ビットコインの相場上昇を後押しする要因にもなっているのだ。

Next: Googleの検索結果とビットコイン相場は連動している?

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