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ボクシング「JBC」解散へ。ずさんな資金管理で亀田裁判“1億円敗訴”以前に時間の問題だった財政破綻。ファンからは「自業自得」と冷たい視線

プロボクシングの日本国内における統括団体である「日本ボクシングコミッション(JBC)」が、財政難を原因に解散すると報じられた。

報道によると、JBCは折からのコロナ禍により財政状況が悪化していたといい、2020年末時点で正味財産が約2500万円のマイナスと、火の車の状態になっていたとのこと。さらに今年2月には、元世界王者の亀田興毅さんら3兄弟と争っていた裁判で、東京高裁から約1億円の支払いを命じられていた。

すでにJBCの口座は差し押さえられているといい、現在は別法人への移行なども含めて今後の対応を協議しているという。

2審で賠償金が約2倍に跳ね上がった亀田裁判

各社の報道をみると、コロナ禍による財政悪化にくわえて、亀田3兄弟との裁判で敗訴したことが、解散へと繋がったとの論調が多く見受けられる今回の件。

ここで取沙汰されている亀田3兄弟との裁判だが、これは2013年に発生したいわゆる“負けても王座保持問題”を巡るもの。王座統一戦に臨んだ亀田大毅氏は、計量で失格となった相手と戦うも敗戦。その際にタイトルの扱いはどうなるのかで騒動が起き、それに関してJBCは“亀田陣営が混乱を招く説明をした”と、大いに問題視したのだ。

もともと亀田陣営とJBCとは折り合いがかなり悪かったのだが、この騒動を理由にJBCは亀田ジム会長のライセンスを剥奪するなどの厳しい処分を決定。亀田3兄弟は、日本国内での活動が事実上できなくなってしまった。

これに対し、違法な処分で試合をする機会を奪われたとして、亀田3兄弟がJBCに損害賠償を求めて訴えたのがこの裁判なのだが、20年1月の一審判決では“処分は違法”と認定され、JBCに賠償金の支払いを命じる結果に。

さらに双方が控訴したことで行われた二審も、同様に亀田側の勝訴だったのだが、一審では4,550万円だった賠償金が、二審ではその約2倍の1億10万円となった。

ただJBCとしては、倍増してしまった賠償金もさることながら、そもそもの訴訟費用自体が相当な重荷となっていた模様。というのもその時期のJBCは、事務局長を務めていた人物の解雇を巡っての労働争議も抱えており、そちらの係争費用も多額となっていたようで、これらが団体の財産を大きく目減りさせていたようだ。

亀田兄弟をいまだに悪者扱いのメディアに批判殺到

このように、資金繰りに大いに窮していたであろうJBCだが、そんな最中には、選手が負傷した際に備えるためファイトマネーから2~3%を徴収して積み立てていた「健保金」を、上記の裁判費用に“不正流用”しているのではといった疑惑疑惑上したことも。

こうしてみていくと、コロナ禍の影響や亀田裁判の結果に関わらず、財政破綻はいわば時間の問題だったと言えそうなJBC。つい最近では、自らの不手際で井岡一翔選手にドーピングの“濡れ衣”を着せ、後に理事長が謝罪する事態を招いたこともあり、ボクシングファンからの不信は募るばかりの状況だっただけに、SNS上からは「出鱈目な組織・団体だった」「あまりにも不透明な事多すぎたし、納得出来ない事もいっぱいあったからねぇ…」などと、今回の解散を自業自得だとする声も。そのうえで今回の件を機に、旧弊な体制が刷新されれば……と願う意見も多いようだ。

いっぽうで、亀田兄弟との裁判結果が解散の引き金になったという趣旨の報道に対しては、異を唱える声が多くあがっており、なかでもアイキャッチに、いかにもガラが悪そうな現役当時の亀田興毅氏の画像をなぜか用いた記事に対しては、「印象操作がひどすぎる」「本当にメディアとして大丈夫かな?」などと、批判が殺到している状況だ。

ちなみに来る4月には、ボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太選手とIBF世界王者ゲンナジー・ゴロフキン選手の対決など、注目のマッチが控えている状況だが、これらの開催に関しては、JBCの解散騒動によって支障が出ることはなさそうということで、ファンにとってはひとまず安心といったところだろうか。

Next: 「メンバーやガバナンスが変わらなければ同じです」

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