「世界の警察」を辞めたアメリカに発言する権利はない
つまり、ロシアが好き勝手にするのは、アメリカが一方的に警察を辞めたと発表したことにもあるのに、アメリカは何だか好き勝手なことを言っているよね、と私は思っています。
中国も暴発するとアメリカは騒いでいますが、そもそも、自分で好き勝手に「警察をやる」と言い出し、放棄するときも好き勝手の放棄。こんなわがままな国はないよね、と思うのが普通です。
世界の警察を行うのには、その戦力の保持や行使にそれなりのメリットがあったから世界の警察になったのです。そのメリット(うまみ)が減ったので「やめた」と言っただけの話です。
そして、日本には軍事力の増強を求め、日本はそれに応じるほかないだけの話なのです。
今のウクライナ侵攻というのは、「世界の警察を辞めた」と宣言をしたアメリカにもそれなりの責任があるのに、アメリカは「悪いのはロシア」と決めつけています。
アメリカがウクライナに加勢をしないのは、結局、抑止能力がないことを満天下に示したようなもの。つまり、ロシアを上回る軍事力がないと宣言したのに等しいことですので、北朝鮮も好き勝手なことを行うのです。そのうち、中国も好き勝手なことを行う、つまり台湾侵攻を行う、と考えるのがアメリカからすれば合理的な考えでしょう。
つまり、安全保障の根本的なところが崩壊しているのです。お互いに抑止力を持つようにして戦力を均衡状態にするのが抑止力のキモになりますが、アメリカの力が衰えたことを見越して、ロシアが好き勝手なことをやっている。それだけの話なのです。
アメリカが参戦しない「自己中」な理由
アメリカがウクライナに参戦をしないのは、非常に明快です。ウクライナを守る意思がないからです。
まず、ウクライナはNATOへの加盟を申請していますが、なぜそれを拒否するのかといえば、おそらく理由はトルコと同じです。つまり肌の色が違う、宗教が違う、ということです。
トルコは何十年にもわたりEUに加盟申請をしていますが、その加盟は認められないでしょう。のちに加盟を申請した国々が次々と承認されても、トルコは決して承認されません。その代わり、トルコはEUからの加盟申請準備金を毎年、得ています。ですから、シリア難民の欧州への流入阻止にも協力的なのです。
ウクライナもEUへの加盟申請を行っていますので、その準備金としてその軍事力をEUから得ているだけの話です。
つまり、ウクライナのNATO加盟というのはほぼ絶望的な状況なのです。おそらくフィンランドやデンマークの承認の方が早いでしょう。EUも偉そうに平和だとか言っていますが、実態は人種や宗教の差別の塊、ということもミニ知識として覚えておきましょう。
いくらEUが中国に進出しても、日本人が欧州に親近感を抱いても、彼らにはアジア人は違う人種という認識があることを覚えておいても決して悪いことではない、ということです。
日本人や中国人は経済的な利益をもたらしてくれるので仲が良い「フリ」だということです。