「核の抑止力」を守るためにウクライナを支援
要は、アメリカやNATOの軍事力応援も期待できない、しかしウクライナに負けてもらってはアメリカ・欧州は困るということ。なぜなら、抑止力の理論が破綻するからです。
その抑止論の次の体系がまったく定まっておらず模索している最中に、ロシアがウクラウイナに勝つことは許されない状況だというだけの話です。これを外国の領土を武力行使によって現状変更をすることは許されないことだ、と言っているのです。
しかし、こういう現状になってしまったのは、アメリカの「世界の警察」放棄、そして抑止論の破綻から起こっていることは言うまでもありません。
ゆえにウクライナがロシアに負けることは許されないことで、ウクライナが劣勢になるたびに欧米は軍事支援を行う、それだけの話です。
ロシアは、アメリカは手出しをしてこないと舐めきっているので、ウクライナに決定的な敗北をさせるまで戦争を行うでしょう。
だから、この戦争は絶望的に長引きます。
経済制裁など北朝鮮をみれば明らかですが、その効果によって態度を改めさせることはほぼ無理でしょう。ロシアへの経済制裁は効果的だと西側の政府高官は言いますが、北朝鮮や中国を見ていれば、効果など期待できませんよね。北朝鮮のときも過去最高の圧力と喧伝していたと記憶していますが、私の間違いでしょうか。同じことをロシアにやっているよと思います。
もう「抑止力」で服従させる時代は終わった
要は、従前の長い平和を維持してきたシステムが、世界では崩壊をしているのです。だから、その間隙をついてロシアやミャンマーの軍事政権、スリランカの暴動、北朝鮮のミサイル発射のようなことが続いてもおかしくないのです。
もう崩壊しているのに、ないしは崩壊の兆候が見られるものを、今までのように維持するというのは恐ろしく時間とコストがかかり、元に戻せる可能性は低いのはわかりきっていることです。
なのに、アメリカの構築してきた戦後平和システムを守るというような言質は現状を理解していない、ということが言えると思います。
そもそも喧嘩している双方が、俺の方が強い、とお互いにマウントをとっている状態がおかしい、とみなさんお感じになりませんでしょうか?あなたの周囲に筋肉ムキムキでいかにも強そうな人が、俺は強いからお前は俺に従えなんて言ってきたら、嫌悪感しか覚えないと思います。表面上は、怖いので従うでしょうが、そのような強そうな肉体があるから従うだけの話であり、その人のことを絶対に信用しないでしょ。私は少なくともそう思います。前近代的なゴリラ、旧人種として私は心の中で軽蔑します。
抑止力の発想というのは、すでに前近代的な時代遅れの代物なのです。こんな抑止力に頼っていることが間違いなのです。