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老後資金を取り崩しながら資産も増やす。シニアが取るべき4つの資産運用ステップ=小屋洋一

生活資金を年金では賄えず、老後資金を取り崩している高齢者の方は、資産運用を諦めているかもしれません。でも、これから紹介する4つの資産運用ステップを確認すれば、老後資金を守りながらでも、資産運用でお金を増やすことはできます。(『億の近道』小屋洋一)

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プロフィール:小屋洋一(こや よういち)
ファイナンシャルプランナー。株式会社マネーライフプランニング代表取締役。1977年宮崎県生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、総合リース会社に就職。2008年、個人のファイナンシャルリテラシーの向上をミッションとした株式会社マネーライフプランニングを設立。

高齢者が消費しながら資産運用を行う方法

今年に入って、フィンウェル研究所の野尻哲史さんが主催しているデキュムレーション(資産活用)の研究会に参加させていただいております。メンバーは下記の通りで、私を含め金融業界では著名な方々も多く、お誘いいただいて参加させていただくことが大変楽しいことになっています。

大江加代さん(株式会社オフィス・リベリタス)
唐木田みわさん(三井住友トラスト・資産のミライ研究所研究員)
後藤順一郎さん(アライアンス・バーンスタイン株式会社AB未来総研所長)
小松原宰明さん(イボットソン・アソシエイツ・ジャパンCIO)
小屋洋一さん(株式会社マネーライフプランニング代表)
島田知保さん(投資信託事情編集長)
竹川美奈子さん(LIFE MAP合同会社代表)
田村正之さん(日本経済新聞社編集委員)
津曲眞樹さん(OECD-INFE諮問委員)
山口勝業さん(イボットソン・アソシエイツ・ジャパン会長)
山崎俊輔さん(ファイナンシャル・ウィズダム代表)
野尻哲史(合同会社フィンウェル研究所)-デキュムレーション研究会事務局

ここでは、「高齢者が消費を促進させながら、いかに有価証券資産の寿命を延伸させられるか」ということについて、主にリタイアメント後の資産運用や取り崩しについて、その考え方などを議論しています。

高齢者は資産の取り崩しをどのように行うべきか

私が、実務の中で採用をしている「取り崩し」の考え方は、下記の4ステップで考えています

1)今後のキャッシュフローを予測して、10年分の不足する金額合計は現預金で保有しておく

まずは、年間の収入(主に年金など)-支出(生活費など)=年間収支を計算し、この年間収支(多くは赤字)の10年分の支出を、現預金の資産が10年分の年間家計収支の赤字分を保有していれば、運用していく資産については、少なくとも10年間程度の期間で運用を検討することができる。

10年先までの家計の収支が黒字家計である場合には、年間家計支出の1年分程度を現預金で保有しておけば十分と考える。

2)1)で控除した現預金を除く部分は、株式、債券のポートフォリオで運用を行う

1)の現預金を含めた全体のポートフォリオを見たうえで、

現預金:株式:債券=1:1:1

程度になる程度が保守的なポートフォリオとして考える。

全体の金額が少なくて、現預金比率が高くなってしまう場合には、

現預金:株式=1:1

程度になるまでも許容する。

3)このポートフォリオに組み込む株式や債券の商品で「配当」を期待する場合には、投資信託ではなくETFによって構成することも検討する

「資産取り崩し」の段階に入った人は、「配当収入」を求める傾向が強くなります。運用からの定期的なキャッシュインを期待するようになるのです。

資産を取り崩していっているので、複利で資産形成をしていく必要性も乏しく、配当金の再投資を行う投資信託ではなく、保有資産からの自然な配当が期待できるETFをポートフォリオ組成の商品として検討することも自然です。

Next: 資産運用の結果を振り返り、将来10年分の資金を再検討する

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