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コロナ第7波は「風邪」化の始まりか?海外データで見えた収束時期と第8波の到来予測=高島康司

日本は世界最大の感染国の1つ

しかし、感染状況を見ると、オミクロン株では日本の感染者数は世界で飛び抜けて多い。これは日本ではほとんど報道されていない事実のようだ。

日本では第5波を主導したデルタ株までは、欧米のほうが圧倒的に感染者数でも死者数でも多かったが、オミクロン株では状況は逆転している。

以下は札幌医科大が公表しているデータだ。オミクロン株の日本の感染者数がいかに多いかが分かる。これは、過去7日間の人口100万人あたりの新規感染者数の国際比較である。7月25日の数値だ。右側の数値は7日間の増加率である。

<7日間の新規感染者数(人口100万人あたり)>

・世界平均     905人 109.5%

・オーストラリア 12,505人 106.9%
・韓国      9,456人 161.9%
・日本      8,760人 166.4%
・イタリア    8,386人  77.3%
・フランス    7,786人 76.3% 
・ドイツ     7,424人  92.5%
・トルコ     2,663人 193.5% 
・アメリカ 2,568人  95.3%
・イギリス 2,037人  71.9%
・メキシコ    1,349人  96.0% 
・ブラジル    1,318人  70.7% 
・カナダ     998人  111.6&
・アルゼンチン  915人  105.2%
・ロシア     297人  149.0%
・インドネシア 128人 130.9%
・インド     98人  105.6%
・サウジアラビア 98人   84.8%
・南アフリカ   53人  181.9%
・中国      4人   170.8% 

これは感染が拡大している主要国の数値だが、日本はオミクロン株の感染拡大しているトップ3に入っている。

日本は欧米諸国に比べ、しっかりとマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを維持して活動する人々が多い。マスクなしでソーシャルディスタンスも気にせず、自由に活動している欧米諸国とは異なる状況だ。

また、オミクロン株が発祥したのは南アフリカだが、それよりも日本の感染者数が断然多い。さらにケンタウルス株だが、これはインド発祥だ。しかしインドの感染者数は日本よりもはるかに低い。

オーストラリアと韓国もあるので、数値が高いのは日本だけではないものの、なぜこれら国々、特に国民が欧米諸国に比べ感染に注意している日本の感染者数が多いのか、はっきりした理由は分からない。なぞである。

世界平均より高い死者数

一方、人口100万人あたりの新型コロナ感染者の死者数を見ると、日本は世界平均よりも高いものの、他の国々と比較すると、極端に高いわけではないことが分かる。こちらは7月26日のデータだ。

<7日間の新規死者数(人口100万人あたり)>

・世界平均     2.0人 111.4%

・オーストラリア 19.5人 113.6%
・イギリス 16.9人  133.5%
・イタリア    16.9人  123.8%
・フランス    10.7人 103.9%
・ドイツ      9.5人  122.5%
・アメリカ 9.0人  102.7%
・カナダ      8.5人  132.1%
・ブラジル     7.6人  91.7% 
・メキシコ     3.5人  96.6%
・日本       3.3人  232.4%
・韓国       3.0人  159.8%
・ロシア      1.8人  95.0%
・アルゼンチン   1.7人  133.3%
・トルコ      1.1人  309.6%
・サウジアラビア  0.3人  100.0%
・南アフリカ    0.3人  36.4%
・インドネシア 0.2人 108.5%
・インド      0.2人  95.7%
・中国       0人  100.8%

これを見ると、日本の死者数は世界平均を上回ってはいるものの、いまのところ決して高いわけではない。

しかしながら、注意しなければならないのは、死者数の高い増加率である。過去7日間で232.4%の増大というのは、309.6%のトルコに次ぐ高さである。

この理由ははっきりしている。世界的にも極めて高い日本の感染者数の増加である。日本はいま感染爆発しているような状態だといってもよいだろう。それとともに、死者の絶対数も急速に増えているのだ。

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